アルビレックス新潟のMF矢野貴章(33)が故障から復帰した。新潟聖籠スポーツセンターで7日に行われたJAPANサッカーカレッジ(北信越リーグ1部)との練習試合に後半から右サイドハーフとして45分間プレーした。ロスタイムには右CKをヘディングゴール。8月26日のアウェー柏戦で右大腿(だいたい)を負傷して以来の実戦で、完全復活をアピールした。試合は6-2で勝った。

 矢野の天性のバネがピッチでよみがえった。5-2のロスタイムに得た右CKだ。DF前野貴徳(29)のキックに向かってニアに走り込み、持ち前の跳躍力を駆使して跳んだ。頭で合わせて、チーム6点目のゴール。呂比須ワグナー監督(48)は「素晴らしかった。タイミングは完璧。最高のゴールシーン」と、べた褒めだった。

 セットプレーの練習には時間を割いてきた。矢野は「流れに関係なく、セットプレーで点を取れれば大きな武器になる」と言う。新潟は現在、リーグ16戦未勝利。相手に主導権を握られる試合でも、セットプレーから得点できるのは強みだ。矢野の打点の高いヘディングも、チームにとって有利に働く。この日のヘッドも「自分のよさが出たと思う」と言う。

 右サイドバックで先発したアウェー柏戦で負傷してから42日ぶりの実戦。9月26日に部分合流し、4日の紅白戦には30分出場した。呂比須監督は「次のG大阪戦に備えての45分」と、矢野は次節の戦力の1人だ。勝ち点12で最下位の新潟は次節、負ければ他チームの結果次第で降格が決まる。矢野は「望みを最後までつなげるために、勝たなければならない」と口調を強めた。【涌井幹雄】