浦和レッズが、MFラファエル・シルバ(25)の決勝第1戦に続くゴールでアルヒラル(サウジアラビア)を下し、10年ぶりのアジア制覇を達成した。

 後半43分、自陣中央からの浮き球パスに反応したシルバは、迫るDFをかわし、右足を振り抜いた。ボールがゴールに突き刺さると、シルバは左コーナー付近に歓喜のダッシュ。仲間に押しつぶされるように祝福され、歓喜の渦が出来た。

 前半から、両チームが局面で体をぶつけ合う、激しい一進一退の戦いが続いた。開始わずか30秒で中央左から飛び出したMF長沢和輝(25)が、相手のトラップミスを奪って左足でシュートも、わずかに枠を外した。同8分にも、再び長沢が中央からミドルシュートもGKムアイオフの正面を突いた。

 一方、アルヒラルは布陣を基本の4-2-3-1から、局面に応じて浦和と同じ4-1-4-1に変化させ、真っ向から浦和にぶつかってきた。前半26分にMFダウサリが浦和DF宇賀神友弥をかわしてミドルシュート。同42分にはMFミレシがFWハルビンとのワンツーから抜け出し、シュート。いずれも枠を外したが、際どいシュートだった。前半は、序盤は浦和、中盤から終盤にかけてはアルヒラルが主導権を握る展開のまま0-0で終えた。

 後半、浦和は攻撃時に長沢、MF柏木陽介、ラファエル・シルバら2列目のMFが前に出て、1トップのFW興梠慎三と時に並ぶ形で攻撃を厚めにした。後半25分、中央のシルバからのパスを受けた宇賀神の左クロスを、MF武藤雄樹がヘッドもGKムアイオフがキャッチ。同28分にはペナルティーエリア左手前からの柏木のFKを興梠が頭で合わせるも、GKムアイオフがセーブ。こぼれ球にシルバとDF槙野智章が飛び込んだが、そこもGKムアイオフのセーブに防がれた。

 浦和に、決定的なチャンスが続く中、ボールを持つと、浦和サポーターから容赦ないブーイングが浴びせられたアルヒラルの選手にはいら立ちが目立ち始めた。後半33分、MFダウサリがDF遠藤航に激しいタックルを浴びせ、この日2枚目のイエローカードで退場。1人少なくなった中、同35分にはFWカハタニがDF阿部勇樹へのタックルでイエローカードを受けた。

 浦和はアウェーの第1戦に1-1で引き分け、アウェーゴールの差で0-0で引き分けても優勝が決まった。その優位な状況が、終盤の精神面の差になって表れ、シルバのゴールでとどめを刺し、アジアの頂点に立った。