特別指定選手のベガルタ仙台FWジャーメイン良(流通経大4年)が、後がないヴァンフォーレ甲府に「信玄流」で一撃を浴びせる。チームは11月30日、仙台市の紫山グラウンドで明日2日の甲府戦を想定した紅白戦を行って、敵地へ乗り込んだ。ベンチ入り濃厚のジャーメインは控え組2トップの一角を担い、カウンターからスピードに乗ったドリブルでゴール前に進入するなど、好調をアピールした。

 快足レフティーが、ご当地の戦国武将・武田信玄の戦法「風林火山」を地でいく。後半途中まで山のごとくベンチに構え、途中投入されれば、風のごとく敵陣に切り刻む。甲府は勝たなければ降格が決まる状況。必然的に前がかりとなり、空いたスペースを高速で突く。ジャーメインは「前がかりの相手に、カウンターで背後を狙えれば。スピードを生かしてゴールを狙いたい」。今夏のユニバーシアード台北大会では優勝を決める一撃を決めた。その勝負強さで、リーグ戦初出場初ゴールをたたき込む。

 甲府は、しっかりとブロックを組みカウンターを得意とするが、残留へ、勝ち点3が最低条件だ。試合が行き詰まれば、相手は後半の早い時間帯からパワープレーで攻め上がるだろう。その裏を、快足レフティーがかき回す。【下田雄一】