J2ジェフユナイテッド千葉MF町田也真人(27)が、来季J1に昇格する名古屋グランパスから獲得のオファーを受けていることが11日、分かった。

 複数の関係者の話を総合すると、10日までに町田と千葉の元に名古屋から正式にオファーが届いたという。11月26日のJ1昇格プレーオフ準決勝で2-4で苦杯をなめ、その後、昇格を決めた“宿敵”からのオファーだが、町田は千葉との契約が残っており、名古屋が獲得するには違約金がかかる。千葉としても、ファン・エスナイデル監督(44)との契約を更新し、18年に悲願のJ1復帰に再挑戦する今、攻撃の中心を担う町田は不可欠な存在で、強く慰留している状況だという。

 町田は埼玉栄高が2007年度に全国高校サッカー選手権に初出場した時の中心メンバーで、同大会では16強に進出。その後、専大に進み、同校4年時の11年に関東大学リーグ1部を制し、初出場した全日本大学サッカー選手権でも初優勝の原動力となり、翌12年に千葉に加入した。

 166センチと小柄ながら、鋭いパスとシュート、巧みな身のこなしを武器に千葉の攻撃のタクトを振るい、16年にチーム最多の11得点を挙げた。背番号10を背負った今季も、36試合に出場して6得点を挙げた。2列目、サイド、トップでもプレー可能で、パスを出して即、裏に抜ける動きなど敏しょう性も高く、試合中の判断力の高さも定評がある、J2屈指の攻撃的選手だ。

 今回、獲得のオファーを出した名古屋との試合は今季、3月11日にフクダ電子アリーナで2-0で快勝したホーム戦、11月11日に豊田スタジアムで3-0で勝ったアウェー戦、パロマ瑞穂スタジアムで行われたJ1昇格プレーオフ準決勝の3戦全てにフル出場した。徹底したパス回しをベースに、人もボールも動くサッカーで今季J1からJ3を通じて最多の85得点を挙げた、名古屋のサッカーにもフィットする。

 一方、町田は今季、就任したエスナイデル監督が推し進めた、欧州トップクラブを見据えた食事とトレーニングの改革を、身をもって体感。「今まで教わったことが覆るような内容。結果が出て、自ずと正解になり、全てがポジティブになった。終盤になっても体が動いたのは今年の改革が生きた」と手応えも口にしている。

 J1の夢を奪った名古屋か、自らをプロにしてくれた千葉と成長させてくれたエスナイデル監督か…町田が決断の時を迎えている。