2大会ぶりの優勝を目指す藤枝順心(静岡・東海2)が、決勝進出を決めた。前回大会の準々決勝で敗れた大商学園(大阪・関西2)に2-0で快勝した。前半14分、CKからDF大村琴美(3年)がヘディングで先制。後半にはFW今田紗良(3年)が追加点を挙げ、リベンジを果たした。同校では初となる無失点での優勝を目指し、7日の決勝では作陽(岡山・中国1)と対戦する。

 1年前の悔し涙が、笑顔につながった。昨年の1月4日、藤枝順心は選手権準々決勝で大商学園に0-2で敗れ、連覇の夢がついえた日だった。そしてちょうど1年後、同じ相手に勝利。大村は「ここまできたら、絶対に優勝したい」と声を弾ませた。

 まさにリベンジを果たした。前半14分、MF並木千夏(3年)の右CKで、ゴール前中央に走り込んだ大村が高い打点のヘディングで先制点を挙げた。「去年は(大商学園に)セットプレーでやられたので、今回はCKから決められてうれしい」と話した。

 昨年の大商学園戦ではCKから先制されており、この1年間、「セットプレーの重要性」をチームで意識付けしてきた。毎週、欠かさずにセットプレーの練習を重ね、走り込む場所やサインプレーの質を上げていた。多々良和之監督(52)は「負けてから、1年をかけて取り組んできたので、それが出せた」と振り返った。

 1回戦からの4試合は無失点が続いており、先輩も成しえなかった無失点優勝が見えてきた。昨年はFWで出場していた大村は、3年になり本職のセンターバックに復帰。対人の強さでDFラインを引っ張っている。FWを経験したことで「体の使い方などが、守備に役立っている」。相手の攻撃の持ち味を消し、連係で守備をすることで危ない場面も減っている。「相手の攻撃を予測して、やらせない。最後も無失点で終わりたい」と話した。

 全国制覇まで、あと1勝に迫った。右足首のケガを抱えながらフル出場で1得点を挙げた今田は、「強いチームと最高の舞台で戦えるのが楽しみ。今年はいぬ年ですよね。順心ナンバー“ワン”になります!」と笑顔で宣言。決勝のピッチで、今度はうれし涙を流す。【保坂恭子】