2018年のJリーグが23日に開幕する。日刊スポーツ静岡支局では「静岡PRIDE」と題し、県ゆかりの選手やクラブにスポットを当てる。静岡学園出身で順大からJ1V・ファーレン長崎入りしたMF米田隼也(22)と、J2徳島ヴォルティスに加入したMF渡井理己(18)はルーキーイヤーを迎える。高校時代に名門静学の背番号「10」をつけた2人が、1年目からの飛躍を誓い合った。

 静学でエースナンバー「10」を背負った2人がプロとしてのキャリアをスタートさせる。米田は順大を経て長崎に入団し、渡井は期待の高卒ルーキーとして徳島に加入。幼いころからあこがれていた舞台が、ついに幕を開ける。

 米田 コンディションは上がってきています。キャンプでの練習試合では通用する場面も多かった。今は早く開幕してほしいという気持ちです。

 渡井 プロはスピードも速く、技術も高い。ただ、充実した時間を過ごせていますし、楽しみです。

 2人は高校で先輩後輩の関係。世代違いで同じピッチに立つことはなかったが、互いの存在を意識していた。

 米田 大学の時は静学の結果を気にしていましたし、渡井君のことも知っていました。去年の選手権決勝で決めたゴール(渡井が相手4人を抜き去って決めた得点)はすごすぎる。試合には負けたけれど、決勝であのプレーができるのはさすがだと思います。

 渡井 僕は中学の時に米田さんのプレーを見ていました。尊敬している先輩なので、会うと緊張します。まさか、米田さんが僕のことを知っていると思わなかったので、ビックリです

 高校3年時にはともに10番をつけてプレー。テクニシャンがそろう技巧派軍団の中でも技術はずばぬけていた。

 米田 静学ではサッカーのことだけを考えていた濃い3年間でした。練習はつらい時もありましたが、選手としての自信をつけてくれた場所でもあります。

 渡井 僕は体が大きくなかったので、ボールを奪われない技術を身に付けられたと思います。高校で教わったことはプロに入っても生かせることが多いです。

 戦うカテゴリーは違うが、プロ1年目に懸ける強い思いは同じだ。

 米田 目標は5得点5アシスト。チームの勝利はもちろんですが、テクニックで魅了するプレーをしたいと思います。

 渡井 まずは1日でも早く試合に出て勝利に貢献したいです。静学出身として恥じないようなプレーをします。

 高校時代に県サッカー界を盛り上げた若き才能2人は、サッカーどころ静岡で磨いた技術と誇りを胸に、プロの世界に羽ばたく。【取材・構成=神谷亮磨】

 ◆米田隼也(よねだ・しゅんや)1995年(平7)11月5日、福岡県生まれ。中井SS-FC、NEOを経て静岡学園に入学。順大に進学し、16年全日本大学選抜。173センチ、68キロ。

 ◆渡井理己(わたい・まさき)1999年(平11)7月18日、富士宮市生まれ。富丘SSS-リベルダージFCを経て、静岡学園に入学。U-16、17、18日本代表。167センチ、61キロ。