サンフレッチェ広島の城福浩監督(57)は、柏レイソル相手に勝ち、4戦連続完封(3勝1分け)で首位をキープしながら「自分たちの時間をつくりながら、心拍数を少し落とすところでの、ゲーム巧者になるのは目指していきたいところ」と注文を付けた。

 この日は「非常に良い入りが出来た。もっと早めに1点目が入っても、おかしくなかった。我々が圧力をかけ続け、目指すアグレッシブな守備と奪ってからのサッカーが、ある程度、具現化できた」と語るように前半は思い通りのサッカーが出来た。

 一方で、後半40分のゴールで勝った3月31日の前節・川崎フロンターレ戦とは逆に、前半に点が入ったことで「あれだけ前半に飛ばし、先に点が入ったので重心が後ろに下がったのはやむを得ない。ただ、少し、後半に相手の時間が長すぎた」と課題も浮き彫りになった。それでも「前半、見せたアグレッシブさは今季、続けたい」と手応えを口にした。

 2度の右膝前十字靱帯(じんたい)断裂から、ほぼ2季ぶりに復帰したDF佐々木翔(28)のゴールについて聞かれると「彼が今、ピッチでしっかりとやれているということが、すばらしいこと、彼の努力だと思いますし、最後に彼のところにボールがいったのは、ご褒美なのかなと思う」とたたえた。一方で「私は監督なので、感傷に浸っている暇はなくて、後半のポジショニングが課題。彼には、もっともっと良くなって欲しい…ポテンシャルがある選手だと思うので」と課題の指摘も忘れなかった。

 その上で「今日だけは、おめでとうと言いたいと思いますけど、明日からは今日の反省をもとに、次からのステップにいって欲しい」とエールを送った。【村上幸将】