川崎フロンターレは横浜F・マリノスと1-1で引き分けた。今季、横浜から川崎Fに加入したFW斎藤学が慣れ親しんだ古巣のスタジアムでピッチに戻ってきた。

 昨年9月末の甲府戦で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。同10月13日に手術を受け、移籍した川崎Fではリハビリからのスタートだった。約6カ月半ぶりの公式戦で、斎藤はDF登里、FW大久保へのラストパスや40メートルドリブルなどで見せ場をつくり、シュートも1本打った。引き分けの結果に、斎藤は「1点取りたかった。悔しい部分が大きい」と振り返った。

 古巣での復帰に、斎藤は「ここに合わせてきたわけではない。少しでも早く復帰するためにやってきた。ここでマリノス戦というのは感じるものがある。チャンスをいただけたことに感謝したい」としみじみ。斎藤は昨季、横浜で背番号「10」を背負い主将を務めていた。後半32分にベンチ前で交代の準備に入ると、横浜のサポーターからは大ブーイング。ピッチに入っても、ボールを持つ度にブーイングが起こった。それでも、斎藤は「愛情の裏返しだと思っている」とキッパリ。試合後は横浜DF中沢佑二らかつての仲間と抱き合いあいさつをかわした。

 川崎Fでの大きな第一歩に、斎藤は「前半はマリノスがやりたいことをまったくさせていなかった。これから勝つために、内容を突き詰めていく過程に入るのはおもしろいところ」と話した。鬼木達監督は「試合への体力をつけていくことが大事。悪くはなかったがもっとできる。ドリブルや前への推進力ででチームにパワーをもたらしてくれれば」と期待を寄せた。