川崎フロンターレのFW小林悠(30)が2戦連発で3連勝に導いた。1-1の後半43分。ペナルティーエリア内でゴールを背にMF大島の縦パスを受けると左足でトラップ。素早くターンして相手DFをかわし、右足を振り抜いた。「狭い所でのターンは自分の良さ。DFの位置は背中で感じていた。足元にガツンと来る相手だったので、逆に入れ替われると。相手の動きを逆手にとってうまくやれた」。4試合ぶりの先発で良質なゴールを決め、胸を張った。

 4月11日のC大阪戦で左ふくらはぎを痛め戦列を離れた。離脱中、得点王とMVPに輝いた昨季のプレーを見直した。「今年うまい選手がたくさん入って、遠慮じゃないですけど“自分が”の気持ちが減ってたのかなと」。途中出場で復帰した25日の鳥栖戦は、昨季の「自分が決める」との思いで臨み、今季2点目。この日は、後半途中で足が止まったが「監督は最後のゴールのために自分をピッチに残した。この期待に応えないと」と自らに言い聞かせ、最後に結果を残した。

 11試合で3得点も、小林は「実は去年は開幕16試合で4点。それに気付いたらまだいけると」と苦笑する。ゴールパフォーマンスを4歳の長男のアイデアで「妖怪ウォッチのガッツ仮面」のポーズに変えてから2戦連発。開幕まで2カ月を切ったワールドカップ(W杯)に向けても「年齢的に最後のチャンスになると思う。チームで結果を残すことが大事」と意欲を見せた。【岩田千代巳】