柏レイソルは横浜F・マリノスに3失点を喫して完敗し、順位を2つ下げ15位となった。代わって、前節15位だった横浜が勝ち点29で並び、得失点差で7上回り14位に浮上した。

J2とのプレーオフ圏内16位のサガン鳥栖との勝ち点差は4だが、鳥栖が翌2日に3位のFC東京と対戦するため、結果次第で肉薄される可能性も高まった。加藤望監督(48)は、会見の冒頭で「サポーターの方には最後まで大きな声援をいただいたんですが、残念な結果になり申し訳ない」とサポーターに謝罪した。

前半30分、右からのクロスボールを、中央から飛び込んできたFW伊藤翔(30)にねじ込まれて先制を許した。加藤監督は「選手は最後まで走って頑張ったが、前半、自分たちでアクションを起こして守備に入るスイッチが入らず、後手後手になった」と振り返った。

後半14分には、左クロスをファーサイドで折り返されたボールを、MF天野純(27)に蹴りこまれて2点目を許した。同33分には、右からの浮き球をDFパク・ジョンスがGK桐畑にパスも、ボールの勢いが弱く、慌てて追いかけたが処理にもたつく中、伊藤に奪われて左足でこの日2点目のゴールを奪われた。

加藤監督は「自分たちで奪うことを確認して後半入ったが、逆に前がかりになって、カウンターを食らった形。しっかり守備しながら攻撃する、リスクマネジメントを確認しないといけないなと」と、ハーフタイムの指示を逆に突かれた形で2失点したことを悔やんだ。

質疑応答では、3バックから4バックにし、DF中沢佑二がベンチから外れたことなど横浜の守備陣が変化した影響はなかったか? と質問が出た。加藤監督は「そこは、なかったと思います。横浜に対して、どう守るという意識があったが、自分たちから、というスイッチが入らなかった。そこだと思います」と、あくまで自軍の問題だと強調した。

数少ない光明は、後半20分、FW江坂任に代えて投入したケニア人初のJリーガーとして話題の193センチの長身FWオルンガだった。オルンガは同27分、ペナルティーエリア左でスローインされたボールを受けると、DFチアゴ・マルティンスを背負いながらターンしてパスを出し、MF瀬川祐輔のゴールをアシストした。

質疑応答では、オルンガが入りロングボールが増えたのでは? との質問も出た。加藤監督は「ミカ(オルンガ)は前線で起点になれる。必然的に長いボールが多くなったのもあるし、サイドが抜けていた部分もある。ミカは役割をしっかり果たしてくれたと思う」とオルンガのプレーは評価した。【村上幸将】