東京ヴェルディが、FC町田ゼルビアとの“東京クラシック”に引き分け6位に転落も、かろうじてJ1参入プレーオフ(PO)圏を死守した。

25日のPO1回戦は、勝ち点で並ばれ得失点差でかわされた5位の大宮アルディージャと、アウェーのNACK5スタジアムで対戦することが決まった。MF井上潮音(21)は、同じ状況で初戦で敗れた17年のPOの経験を生かす必要性を強調した。

井上はフル出場し、深い位置からボールを裁きつつ、左サイドでボールを持てば前線に仕掛けるなど、攻撃のタクトを振り続けた。それでも試合終了直後は「俺はダメだと思った」とPO進出を逃したと思ったという。それが、ベンチでミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)はじめスタッフがハイタッチしている姿を見て「ハッキリ分からなかったけれど、大丈夫かと思った」と振り返った。

その上で「POに行けたことに対しては、すごくホッとしているし、また来週、試合が出来るので、しっかり準備したい。勝たないといけないので気持ちをリフレッシュしたい」と大宮戦に気持ちを切り替えた。

17年は5位で初のPO進出を決めたものの、初戦の準決勝は年間順位4位のアビスパ福岡とのアウェー戦で、0-1で敗退。井上は「今回も全く同じ状況で…去年、経験した分、緊張感だったり試合の入りだったり、みんな分かっていると思う。とにかく良い練習をして、自信を持って入れれば」と前回の経験を生かす必要性を強調した。

後半31分に、チームをPOに導く値千金の先制ゴールを決めたFW林陵平(32)は「POに進めたことが1番大事。僕の1点がなければ、負けていて出られなかった意味では、すごい重要な得点を決められた」と語った。勝たなければいけない大宮戦に向けて「POに出てくる相手は、どこも強い。大宮も間違いなく強い。でも勝っていかないと、昇格は出来ない。勝つためにいい準備をして勢いをつけて入れば、どの順位も変わらない。自分たちは、それ(大宮)以上に強いと思っている」と力を込めた。

U-21(21歳以下)日本代表の一員として8月のアジア大会準優勝に貢献したMF渡辺皓太(20)は、町田戦について「全然…何もしていないというか、あまり疲れなかった。自分は疲れないと、良さが出ない」と反省した。大宮戦に向けては「(PO進出は試合が)終わってから知りました。大宮には、あまり悪いイメージはない。町田より、やりやすいと思う。今日はゲームから消えている時間が多かった。もっと(試合に)関わらないといけないし、やらないといけない」と自らにダメ出ししつつも、闘志を燃やした。【村上幸将】