J2アルビレックス新潟はオフが明けた1日、天皇杯2回戦・金沢戦(3日・石川県西部緑地公園陸上競技場)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

GK野沢洋輔(39)の今季初ベンチ登録の可能性が高くなった。ベンチ入りすれば日本の公式戦では松本山雅FCに所属していた14年のJ2第42節水戸ホーリーホック戦以来。チーム最年長のベテランが勢いに乗りかけているチームを実戦の場でまとめる。

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野沢が最後尾からメンバーに声をかけ続けた。この日はリーグ戦のアウェー鹿児島戦(6月29日、3○1)に出場したメンバーはクールダウンをし、野沢らサブ組は10対10の試合形式の練習を行った。野沢は状況を見渡しながら指示を出し、シュートに備えた。

鹿児島戦から中3日で天皇杯金沢戦、さらに中2日でリーグ戦折り返しとなるホーム大宮戦(6日)が待つ強行日程。吉永一明監督(51)は天皇杯のメンバーについて「いちばんいい状態で戦える選手をチョイスをしたい」と言う。同時に「より厳しい競争が生まれなければならない」とリーグ戦からメンバー入れ替えを頭に入れている。

野沢は「いつ試合に出てもいい準備はしている」と話す。GKとしての現状は大谷幸輝(30)、田口潤人(22)に続く存在。15年から18年まで在籍シンガポール・プレミアリーグの新潟シンガポール(S)では不動の守護神だったがJ復帰の今季はまだベンチ入りしていない。

天皇杯でベンチ登録されれば、日本の公式戦では松本時代の14年以来、新潟の選手としては08年12月6日の第34節G大阪戦以来、3861日ぶりになる。過密なスケジュールとチームの底上げを狙うタイミングでチャンスが出てきた。

自分の役割は心得ている。「ベテランだからこそできることがある」。普段から若手には進んで声をかけてきた。ピッチ内ではアドバイス。ピッチを離れた時はいじった。ベンチに入れば、より効果的な言葉をかけられる。「それぞれのいい部分を引き出せるようにしたい」。実戦の場にいることでできる仕事を金沢戦でやり遂げる心構えはできている。【斎藤慎一郎】

◆野沢洋輔(のざわ・ようすけ)1979年(昭54)11月9日生まれ、静岡県出身。日大三島から98年清水に入団。00年に新潟に移籍し01年から正GKに。03年J2優勝、J1昇格決定に貢献。09年湘南に移籍し、12年からは松本でプレー。15年から新潟シンガポールに所属し、16年からリーグ戦3連覇に貢献。18年はベストイレブンに選出された。180センチ、75キロ。