セレッソ大阪がガンバ大阪に3-1完勝で「大阪ダービー」7年ぶりの勝利を飾り、連勝を5に伸ばした。

立ち上がり11分で2得点を奪い、後半も追加点。G大阪の反撃を1点に抑えた。C大阪のダービー勝利は12年3月以来、9戦ぶり。FW柿谷曜一朗(29)が2得点に絡む活躍。体調不良などで一時は控えに回ったクラブの象徴、背番号「8」が大一番で輝きを取り戻した。C大阪は勝ち点46として上位に迫り、G大阪は再びJ2降格圏がちらつき始めた。

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柿谷はG大阪サポーターの大ブーイングに迎えられた。昨季、ライバルから“禁断”の移籍オファーを受け、断った経緯がある。それでなくとも、C大阪の象徴「8」を背負う。そんなマイナスのパワーも柿谷は自然に受け入れた。

大阪ダービーは4連敗中、12年3月以来8戦勝ちなし。不安要素は立ち上がりに一蹴した。前半8分。柿谷から左サイドのDF丸橋へ。クロスをFWブルーノメンデスが頭で突き刺した。直後の11分にはCKからヨニッチ。後半11分、左サイド柿谷のクロスを走り込んだ水沼がダイレクトボレーでたたき込んだ。

ロティーナ監督も称賛した。「曜一朗のいいプレーからゴールが生まれた。(左)サイドハーフとして我々の強い要求に適用している。試合を重ねるごとに自信を持ってプレーしている」。柿谷は言った。「ダービーは気持ちのぶつかり合いと言うが自分は違う。求められる役割をこなす中でダービーを楽しもうと」。

ロティーナ新体制の下で開幕スタメンの座はつかんだ。しかし9節以降は体調不良などで控えに回った。先発復帰も、主将のMF清武の負傷離脱が大きい。柿谷も「アクシデントが続いて、急きょ出ている立場」と理解していた。

昨季のG大阪、今夏も名古屋からオファーを受けながら残留した。下部組織から育ったC大阪愛は深い。「タイミング、運が重なって勝てたと思う」。C大阪サポーターから大喝采を浴びた。【実藤健一】