J2アルビレックス新潟は17日、来季監督にスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ氏(51)の就任を発表した。来年1月に会見を行う予定。

新潟では故フランツ・ファン・バルコム氏(北信越リーグ)、呂比須ワグナー氏(J1)に続き3人目の外国出身監督になる。アルベルト氏は今季は米MLSニューヨーク・シティーでコーチを務めた。スペイン・バルセロナのアカデミーダイレクター時代には久保建英(当時10歳)を“発掘”もした。吉永一明監督(51)は今季限りで退任。最終節長崎戦(24日・デンカビッグスワンスタジアム)が新潟での最後の指揮になる。

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アルベルト氏は監督就任が決定した17日、新潟の公式HPでメッセージ動画を公開した。「アルビレックス新潟のファミリーになれてとてもうれしいです。情熱を持って仕事をし、チャレンジしていきたい」と日本語で意気込みを披露した。

アルベルト氏は03年からバルセロナのスカウト、アカデミーコーチ、ダイレクターを務めるなど主に育成部門で尽力。新潟の神田勝夫強化部長(53)は「監督の経験はないがスペインはダイレクターの立場でも選手を指導をする。(今の)バルセロナの基礎を作った人。プレーの質の高さにはこだわりを持っている」とその手腕に期待を込めた。

新潟は16年から4年連続でシーズン途中の監督交代が起こった。来季も新体制でスタートする。神田強化部長は「来季こそJ1昇格が目標。同時にJ1上位で戦えるチーム作りをしたい。長い目でチームと選手を育てるため」と腰を据えたクラブ再建を掲げた。その切り札がアルベルト氏招聘(しょうへい)だった。

アルベルト氏はバルセロナアカデミーダイレクター時代に当時10歳の久保のセンスに着目。それが久保のバルセロナの下部組織加入のきっかけにもなった。「選手の能力を見極め、引き出す力にたけている」(神田強化部長)。若手が台頭しつつある新潟にはうってつけの人材でもある。神田強化部長は「新監督の下、クラブの方向性を進化させて来季に臨みたい」。J1昇格へ待ったなしの来季。期待を背負ったスペイン人新監督に命運が託された。