J2アルビレックス新潟が13日、本格始動した。今季初のチーム練習が聖籠町のクラブハウス練習場で行われた。450人のサポーターが見守る中、今季から指揮を執るアルベルト監督(51)は初日から紅白戦を敢行。実戦に即した内容でチームづくりを進める方針を形で示した。チームは15日、キャンプ地の高知市に入る。

いきなりの“アルベルト流”だった。午前10時に始まった練習が1時間ほど経過すると、メインイベントを迎えた。フルコートを使って11対11の紅白戦。前半は約10分、後半はサイドを替えて約5分。時間は短いが内容は濃い。アルベルト監督は気になる点があるとプレーを止めて指示。ゲーム中は通訳を通して「ラインを上げろ!」と大声とジェスチャーを交えて選手を鼓舞した。

選手も乗った。激しくプレスをかけ、奪ってからスピーディーにボールをつないだ。プレーの合間にはお互いの動きを指摘しあう。その雰囲気はリーグ戦の最中と変わらない。「すごくテンポが良かった。時間よりも質が大事」。DF堀米悠斗(25)は好感触を口にした。紅白戦以外にもビルドアップからのシュート練習、グループに分かれての攻守と、ほぼすべてのメニューでボールを使った。アルベルト監督は「こういうサッカーをやる、ということを分かってもらうつもりだった」と意図を話した。

新潟は、雪深い時期に始動するため、これまで練習初日は体力トレーニングが中心だった。フルコートで紅白戦を行ったのは初。練習前、選手のロッカールームには練習内容が日本語で張り出されていた。「内容も狙いも細かく書いてあって、何をやるのかは分かっていた。やりやすかった」と堀米。アルベルト監督は来日前、コーチ陣と3日間かけて初日の練習計画を立てていた。今季の大枠を選手にすぐに感じさせることができた。

この日は約450人のサポーターが見学に訪れ、横断幕を張り、練習後には応援歌でチームを鼓舞した。「素晴らしいサポーターだ。みなさんにもどういうサッカーをやるか見てもらえた」。アルベルト監督は満足そうに笑った。選手、ファンを新しい空気の中に取り込んで新生アルビがスタートした。【斎藤慎一郎】