日本野球機構(NPB)とJリーグは12日、都内で第3回新型コロナウイルス対策連絡会議を行い、同感染症対策の提言を発表した。

東北大学名誉教授と東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授を兼務する賀来満夫氏、愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授の三鴨廣繁氏、東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授の舘田一博氏の専門家チーム3人の一問一答は以下の通り。

-都道府県別の感染者数にばらつきがあるが、ある地域で感染が収まったものの別の地域では収まっていない場合、再開の判断をどうするか

賀来教授 今、北海道で流行しているが、感染者が出ていない地域もある。ある地域で流行が続いている場合、そこに派遣や移動をするかどうかは、当該チームと相手方で、いろんな話し合いが行われると思う。抑えられないくらいに流行が拡大した場合は、その地域ではない場所での開催も、現実的には起こり得るかもしれない。試合形式や開催場所も今後議論しなくてはいけない。

-無観客での開催についてそれほど言及されていないが、これまで3回の会議中で無観客の開催について具体的に話し合いを行ったか。また、無観客でやることで減らせるリスク、無観客でやっても残るリスクは

賀来教授 選手への感染リスクは当然残る。無観客で行っている大相撲は、場所が14日間と決まっており、換気の悪い体育館の中で、高齢者にもファンが多い。リスク要因が高いという判断のもと、無観客となった。しかしJリーグとプロ野球は長期のペナント。どこまで無観客で行うかは難しい判断。無観客にするかしないかは、もう少し流動的に、感染状況を見ていくことが必要では、という議論はあった。

三鴨教授 そこに関しては専門家でも意見が分かれる。私はおふたりとは少し意見が違って、ある程度(条件が)そろえば、観客を入れて開催してもいいのではないかと思う。開催するときは無観客じゃなくて、十分な対策をして観客を入れて、世の中がある程度収束傾向にあるというお墨付きがあった中で、球団として十分対策をしたという条件のもと、みなさんも体調が悪かったらスタジアム行かないという勇気をもったうえで、開催すればいいと思う。

舘田教授 今の状況で、今週から通常通り(再開)はできない。今週スタートするならば、私はやらない、あるいは無観客試合を提案した。ただひとつ、両リーグにおいて幸いなのは、延期するという選択肢がとれること。(おわり)