J2新潟のFW田中達也(37)が21日、聖籠町のクラブハウス隣接ピッチで行われた全体練習に戻ってきた。

左足の負傷でチーム合流が遅れていたが、この日最後に行われたミニゲームで軽快な動きを見せるなど約2時間、フルメニューを終始、笑顔でこなした。プロ生活20年目。新潟在籍8季目の大ベテランが、リーグ再開予定の4月4日ホーム甲府戦出場へ向け、アピールを開始する。

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左足の負傷で別調整が続いていたベテラン田中が、全体練習に合流した。常に明るく周りに声を掛け続け、チームの雰囲気を盛り上げた。「特別なことではない。普段通りに声掛けをしただけ。みんなとサッカーができて楽しかった」と久々のピッチでの練習に終始笑顔だった。「この期間で合流できたことが収穫。痛みはなかった」。この日、最後のミニゲームでは軽快な動きを見せ、3得点。ゴール後は両手を広げ、喜びを爆発させた。

2月の高知キャンプ終盤から左足のけがが続き、練習合流と別調整を繰り返してきた。「今やれることをやる」と新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断してる期間を有効に活用し、けが予防と再発防止を兼ねた室内トレーニングに専念した。「リーグ再開に間に合ったのはスタッフの協力があったから。感謝して、これからの練習でしっかりアピールしたい」と意気込む。

プロ生活20年、新潟在籍8シーズン目を迎えたベテランに対しアルベルト監督(51)は「行動、努力、質、全てにおいて手本になり、目指すべき選手。田中のような選手がサッカーの価値を上げる」と信頼を置くが、特別扱いはしない。開幕戦1ゴールずつのFW渡辺新太(24)とFWファビオ(22)らとの激しいポジション争いが待ち受ける。田中は「やれることをやる。いい練習を継続してやるだけ」と話した。

リーグ戦再開が不透明な状態での練習が続く。「毎日、しっかり練習に参加する。いつリーグが始まってもいいように、普段と変わらないルーティンで過ごし、アピールをしていく」と決意を示した。【小林忠】