新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断に入り、まもなく2カ月がたつ。入場料収入という大きな柱を失い、厳しい財務状況と向き合いながらも、各クラブは「今できること」を模索し、実行に移している。サガン鳥栖の「歴代ユニホームでマスク製作」、湘南ベルマーレの「オンラインスカウト活動」など、SNSの普及もあり、各クラブがオリジナリティーある施策に取り組む。試合どころか、練習もできない逆境の中、サポーターのため、地域のため、医療従事者のため、今もJクラブは必死に活動している。

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J1サガン鳥栖が、新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスク不足が深刻な中、エコな“ユニホームマスク”作りで貢献中だ。

ホームの記念試合で来場者に配布してきた、歴代の特別仕様ユニホーム(15種類)の生地を再利用してオリジナルマスクを作るという試みで、公式サイトを通じ「私たちに今できること。みんなで『愛する人を守るために』行動しましょう」と呼びかけている。申し込むと、ユニホームと作成手順例が同封で送られてくる。26日の締め切りで、すでに約500件の申し込みがあった。

また、今回の手作りマスクは寄付も可能で、鳥栖が引き取った上で、公益財団法人「佐賀未来創造基金」を通じて、子ども食堂や学童保育施設、マスク不足の地域や団体などに届けられるという。クラブの事業部担当者は「コロナの影響で大変になっている中、マスク不足もありますし、役に立てることが何かないかと考えている時に、ユニホームの在庫がありましたので。こういう困難な時期に使っていただこうと思った」と、企画意図を説明した。【菊川光一】