今夏、東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)が、史上初の中止となることが26日、決まった。新型コロナウイルス感染拡大を受け、主催する全国高等学校体育連盟(全国高体連)が同日午後2時からウェブ会議方式の臨時理事会を開き、決定した。

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青森山田サッカー部の黒田剛監督(49)は、代替大会の開催を願った。サッカー、バスケットボール、バレーボールなどは冬の全国大会があるが、多くの競技は総体が高校生活最後。「中学総体も含めてですが、中止になれば引退を余儀なくされる子どもたちが何十万人とあふれてしまう。実績がなければ進路にも関わってしまう。縮小化してでも何か出来るよう、大人が力になってほしい」。都道府県や地区単位などエリア限定になっても、集大成の場の形成を重要視した。

同校も現在は分散登校などの措置をとりながら、部活動は何班かに分けて各人80分限定で体を動かしている状況だ。「部活動をやっている中高生のコロナ感染者は全国的に見ても少ないと思う。それは目標を持って部活動を頑張っているから、3密も守っていける部分もある。そのパワーも大事にしてほしいとも思う」。指導者としてだけでなく教員の立場としても、生徒らの葛藤を理解している。精神的なダメージを受けた中高生のコロナ感染拡大の危険も懸念していた。【鎌田直秀】