モンテディオ山形がおめでたコンビの3ゴールで、前節まで1敗だった甲府に土をつけた。

まずは前半32分だった。右サイドからFW山岸祐也(26)が絶妙なグラウンダーのクロスを入れると、左サイドから駆け上がったMF加藤が左足ダイレクトでゴールネットに突き刺した。祝福に駆け寄ってきたFWヴィニシウス・アラウージョ(27)が、懸命にゴール裏のカメラマンを探しあてると、カメラに向かって「ゆりかごポーズ」で喜んだ。加藤は古巣金沢と対戦した前節19日に、第2子(次女)が誕生したばかり。コロナ禍の中、頑張ってくれた愛妻へ、生まれてきてくれたわが子にささげる先制ゴールだった。

直後に甲府FWドゥドゥFKを決められ同点とされたが、後半も勢は止まらなかった。21分から出場したFW北川柊斗(25)がわずか1分で結果を出した。左ショートコーナーから、DF三鬼海(27)が入れたクロスに頭で合わせ勝ち越し弾。ホーム通算500ゴールのおまけ付きだった。31分にはゴール前の混戦からねじ込み3点目を奪った。

昨季はシーズン途中の8月、北九州に期限付き移籍し、後半戦11試合で7ゴールと決定力を発揮しJ2昇格に貢献した。しかし山形に復帰した今季は、ここまで4試合13分の出場にとどまっていた。うっぷんを晴らすかのゴールにも「まだまだ勝ち足らないので、これからも貪欲にゴールを狙っていきたい」と満足していなかった。最後に、夫人について聞かれると「帰ったら直接ありがとうと伝えたい」と感謝を忘れなかった。【野上伸悟】