セレッソ大阪が波乱の末、6連勝を飾った。敵地ヴィッセル神戸戦は1-0の勝利。前半に退場者を出して10人での戦いだったが、元日本代表FW柿谷曜一朗(30)が後半17分、今季初得点となる決勝ヘッドをマーク。防戦一方の展開で奇跡的な白星を挙げた。15年ぶりの6連勝を記録した2位C大阪は、これで首位川崎Fに勝ち点5差に迫った。神戸は6戦未勝利。3位東京は2-3で大分に敗れた。

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C大阪のエースと呼ばれた男が、奇跡的な勝利を呼び込んだ。後半17分、丸橋のFKを起点に、最後はデサバトが前線にクロスを配球。そこに柿谷が高い打点のヘッドで、ゴール左へと打ち込んだ。

「1つ、2つチャンスはあると思っていた。デサバトとのタイミング、パスの質、僕の動きだしがかみあった。欲しいところにパスが来て、打ちたいように打てた」

前半33分に都倉がシュートを打つ流れで、神戸GK前川の顔面を蹴り一発退場となった。10人になって4バックから5バックに変更し、2列目の柿谷が1トップへ。5-3-1を決意したロティーナ監督は「退場者が出てからは明確な試合になった」。J1初先発した18歳西川も同41分に交代。引き分けを視野に、シュート数は神戸の21本に対し、C大阪は9本と防戦一方だった。

王者横浜に逆転勝ちを収めた前節から清武、坂元ら主力を温存。スペイン人指揮官の采配に、柿谷は「キヨ(清武)らが休めたのが大きい。僕らはどこかでチャンスが来ると意識していた」と3試合ぶりの出場に燃えていた。

14年W杯ブラジル大会を経験した柿谷も、今は30歳で先発は今季わずか4試合目。普段はマスクの上にマスクを二重で着用するほど新型コロナの感染対策を施すなど、ピッチ内外で模範生になった。

「川崎Fは落ちてこないと思っているので、僕らが差を埋めるには勝つ以外ない。僕たちが追っていかないと、Jリーグもおもしろくない」。クラブ記録の7連勝となった05年以来の6連勝。10月3日にはホームで、川崎Fとの直接対決を控える。いまだ手にしていないJ1優勝へ、首位の背中が見えた。【横田和幸】

◆C大阪の連勝 J1リーグ戦でのクラブ記録の7連勝は過去2度実現。97年第2ステージ(S)第15節~98年第1S第4節まで2シーズンにまたがって達成。2度目は同一シーズン内で05年第22~28節まで。この年は首位で迎えた最終節で東京に勝てば初優勝だったが、終了間際に追いつかれて5位に転落するという「長居の悲劇」で終幕した。