アルビレックス新潟はヴァンフォーレ甲府と対戦し、1-1で引き分けた。

後半18分、DF荻原拓也(20)のクロスを相手DFがクリアミスし、オウンゴールで先制。だが、わずか2分後に甲府FWドゥドゥ(30)に同点ゴールを許した。7777人のホームサポーターの前で、背番号7の荻原がラッキーな形で先制点を誘発する活躍を見せたが、チームは後半戦を勝利でスタートさせることはできなかった。

荻原が得意の左足で先制点を“演出”した。後半18分、タイミング良く左サイドを駆け上がりMF本間至恩(20)からパスを受けると、ニアサイドに走り込んだFWファビオ(23)目がけて鋭いクロスを蹴り込んだ。相手DFの対処ミスでボールがゴールへ転がる。「100点のボールではないが、積極的にプレーはできた」。だが、直後に追いつかれる展開に「結果が出ず悔しい」と試合後、荻原はがっくりとうなだれた。

荻原は序盤から銀髪をなびかせ、本間とのコンビで何度も左サイドをえぐり、チャンスを作り出した。「(本間と)プレーして楽しい。チームとしても、いい時間は多かった」と振り返った。チームは前線からの激しい守備と球際の強さを見せ、ここ6試合負けなしの相手を気持ちとボール保持率で上回った。それでもゴールを脅かす気迫、回数は相手が勝った。「打てるタイミングでシュートを狙わないと」。チームのシュート数はわずかに4本。チャンスでもパスを優先するようなプレーが目立ち、スタンドからはため息がもれた。

「甲府は少ないチャンスをものにする力がある。前回対戦時(6月27日、3△3)もロスタイムにミスを突かれ追いつかれた」と前日に話していたアルベルト監督(52)。最も警戒していたはずの形を、この日も許した。試合後、アルベルト監督は「個の重いミスが出てしまった」と4試合ぶり勝利をつかみそこね、悔しさをにじませた。

リーグ戦後半戦の初戦はドロー発進となった。「勝ちきれず納得はしていないが、次につながると思う。クロスの出し手、受け手、それぞれの質を改善できれば得点は奪える」と荻原。次節30日アウェー琉球戦勝利へ向け、気持ちを切り替えた。【小林忠】