セレッソ大阪FW大久保嘉人(38)が、自身初の開幕3試合連続ゴールを挙げた。古巣FC東京戦の前半14分、華麗なダイビングヘッドで先制点をマーク。2試合連続で2-3の逆転負けを喫したが、1得点1アシストで全得点に絡み、これで開幕3戦4発で得点ランク単独トップ。自身の持つJ1最多得点記録を189に伸ばし、改めて完全復活をアピールした。徳島ヴォルティスはヴィッセル神戸と1-1で引き分けて悲願のJ1ホーム初勝利を逃した。

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チョウのように舞った大久保が、華麗なヘディングシュートを決めた。前半14分、右後方にいたMF坂元からの浮き球パスに、前線で相手マークをかいくぐり、頭から飛び込んだ。

「頭にしっかり当てると、たぶん外していた。どうにかして、ちょっとでも触ってゴールに吸い込まれればいいなと。その通りになってよかった」。前頭部にかすらせ、ゴール左にたたきつけた。開幕からの連続得点は15年川崎フロンターレ時代の2戦連発を超える初の3戦連発、3試合で4得点の荒稼ぎだ。

後半にも一時は勝ち越しとなるMF原川の得点をアシスト。C大阪は開幕3試合すべて2得点し、計6得点のうち大久保が5ゴールに絡む。「できすぎかなと思う。ゴール前で余裕を持ててるのが、やっぱ、大きい。シュートを打ったら入りそうな気がする」。J1最多を更新する189得点を刻み、6年ぶり4度目の得点王も視野に入る。

絶好調の原因は、オフに初めて取り組んだ低酸素運動だ。空気の薄い空間で練習し、体はより多くの酸素を取り込もうとし、持久力が強化された。昨季J2東京Vで19試合、計736分しか出場していないが、今季はわずか3試合で既に205分に。脂肪を燃焼しやすい体になり、ベスト体重70キロで体はキレ続ける。

この日は日本代表森保監督が視察した。代表復帰や東京オリンピック(五輪)オーバーエージ枠入りも、今は夢物語でもない。「今は1試合1試合が勝負。チームが勝って、得点やアシストすれば、自ずと後で付いてくる」。6月に39歳になる大ベテランが、努力の末に奇跡的な1年を演出する。【横田和幸】

▼大久保の記録メモ C大阪FW大久保が自身初の開幕3試合連続ゴール。シーズン開幕からに限らず、大久保の3試合以上連続ゴールは川崎F時代の14~15年以来で通算9度目。最長は4試合連続となっている。また、38歳8カ月での3試合以上連続ゴールは、FWカズ(三浦知良=現横浜FC)が神戸時代の04年に達成した37歳8カ月を更新する日本人最年長記録となった。外国籍選手を含めると、94年の鹿島MFジーコの41歳3カ月が最年長。