「Jリーグの日」に鹿島アントラーズが、FW土居聖真(28)のハットトリックなどで、横浜との“オリジナル10対決”を制した。

土居は試合前、1993年にJリーグのハットトリック1号を記録したジーコ・テクニカルディレクターから得点を予言されていた。プロ初の1試合3得点に「和製ジーコとして喜びたい」。チームは4連勝で6位に浮上。相馬体制後、不敗の鹿島が勢いを増している。

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Jリーグ誕生から29回目の記念日。鹿島で下部組織から育った土居が、プロ初のハットトリックを決めた。28年前の開幕節でハットトリックを決めたジーコ氏から試合前、「ショウマ、今日は点を取るよ」と予言を受けた。土居は「普段、ジーコさんからは点に関して言われないんですけど。たまたま、言ってもらっていて」。

0-1の前半40分にCKの流れから同点弾、後半1分にはMF白崎のスルーパスに抜け出して右足シュートで2点目を決めた。後半8分にはMF松村が倒されて得たPKを冷静にゴール右に決めハットトリックを達成した。鹿島の日本人選手のハットトリックは、06年12月の野沢拓也以来となった。

土居 終わった後、ジーコさんと抱き合って喜びました。「3点取るとは思わなかった」と言われてすごくうれしかった。ジーコさんもこのスタジアムで28年前に歴史をつくってくれた。不思議な縁を感じますし、今日は「和製ジーコ」ということで喜びたい。

前節名古屋戦から中2日の過密日程だったが、選手を入れ替えながら「だれが出ても鹿島」のチーム層の厚さで連勝を4に伸ばした。味方と助け合いながら複数人が相手を囲んでボールを奪う球際の強さは、クラブの伝統そのもの。鹿島一筋の土居は「学生の時から口酸っぱく、どんな時も90分、勝利のために犠牲心を持って戦えと言われてきた。表現できているか分からないが、鹿島を引っ張っていかないといけない自覚は年々、増している。苦しい状況でチームを救える選手になっていきたい」と、生え抜きの自覚を口にした。

相馬監督が就任後、公式戦は6勝3分けと不敗で、リーグ戦も6位に浮上した。上位との連戦が続くが、相馬監督が掲げる「チャレンジャー精神」で、今月末の首位川崎F戦まで駆け抜ける。