J2ジュビロ磐田は3-2でアルビレックス新潟を下し、8連勝を飾った。

2点リードの前半32分にDF森岡陸(22)がプロ初ゴールをマーク。下部組織出身の大卒ルーキーが貴重な追加点を奪った。

得点シーンはセットプレーの「2次攻撃」からだった。前線に上がっていた森岡はFW大津祐樹(31)が放ったシュートに反応。勢いが弱いボールをゴール中央で受けると、反転しながら右足を伸ばしてゴール右隅に流し込んだ。「(大津)祐樹くんが流してくると思ったので、そこを狙って入り込んだ」。FW顔負けの鋭い嗅覚で奪った1点だった。

今季はリーグ序盤こそ出番がなかったが、徐々に頭角を現した。8節相模原戦でプロ初先発。11節栃木戦からレギュラーを勝ち取り、3バックの一角として欠かせない存在になっている。森岡は「まさかこんなに早く試合に出られると思っていなかった。ただ、自分はチームで一番下手だし、毎日怒られています」と謙遜する。それでも、指揮官からの信頼は厚い。

鈴木政一監督(66)は「対人の強さがあるし、何より柔軟性がある」。最大の魅力は無理な体勢からでも足を伸ばしてボールを奪えることだ。気持ちを前面に出して戦う姿勢もチームを勇気づけている。「いじられ役」でチームメートからも愛される存在。ゴール後の手荒い祝福にも満面の笑みで応えた。

チームは前半戦最後の試合を勝利で飾り、「首位ターン」を決めた。森岡は「首位に立てたことはよかったけれど、2失点している。守備の選手としてもう1度気を引き締めて次に臨みたい」と次戦に目を向けた。粗削りだが、試合を重ねるごとに成長している22歳。磐田の次代を担っていくホープのさらなる活躍を期待したい。【神谷亮磨】

▽得点経過 前半6分(磐田)松本昌也 前半18分(磐田)ルキアン 前半32分(磐田)森岡陸 後半34分(新潟)ロメロフランク 後半45分(新潟)谷口海斗