ヴィッセル神戸の今夏の大型補強が早速、形となった。25日のアウェー大分トリニータ戦で日本代表FW大迫勇也(31)と元日本代表FW武藤嘉紀(29)がともに先発出場。ゴールこそなかったが、さすがのプレーで得点機を演出し、勝利に導いた。

「あらためて2人が入ってくれてよかったと今日、感じた」と語ったのが、ドイツでプレー後に神戸へ加入した元日本代表DF酒井高徳(30)だ。この試合、1点をリードされた前半9分に、武藤との連係で同点ゴールを決めた。先制パンチを食らっても、すぐに取り戻せたところに両FWの存在感を感じたという。

「1人で打開できる能力を随所で出してくれた。Jリーグにはあまりない縦、縦であったり、少ない人数で完結できる。2人でゴールに向かう姿勢が、共有できている」

それは相手DFにとって何よりの脅威になる。酒井は「サコ(大迫)とヨッチ(武藤)が並べば、相手は人数をかけて守りにくるから、数的有利が生まれる。2人につられて穴も空くから、そこを突くことができる」。酒井の同点ゴールも右サイドに武藤が開き、中央に張る大迫に引きつけられたスペースを巧みに攻めたものだった。

「新しい刺激がチームの中に生まれる。今日はサコが孤立した場面もあったりしたけど、そういう距離感がよくなればもっとよくなる」

酒井の言葉は神戸の明るい未来を掲示した。【実藤健一】