セレッソ大阪がレビークルピ監督(68)を途中解任し、後任監督に小菊昭雄コーチ(46)を内部昇格させる方針を固めたことが25日、分かった。

同日のホーム湘南戦で1-5と屈辱的な大敗を喫し、森島寛晃社長(49)は「何らかの変化をつけないといけない」と明言。最近17試合でわずか2勝という惨状に、26日中に解任の結論を出す方向だ。

今季最多5失点を喫したレビークルピ監督は、会見で「私の存在そのものが問題なのかもしれない。それを含めてクラブと話をしたい」と引責辞任を示唆した。だが前節で12試合ぶりに勝利したように、いまだ目指した攻撃的なスタイルを確立できていない。昨季4位でロティーナ前監督が築いた堅守もほころび、すべてが中途半端に。香川真司らが在籍した10年に3位に導いたレビークルピ監督の指導力は、取り戻せないでいた。解任は時間の問題だった。

もっとも8年ぶりにレビークルピ監督が復帰したのは、クラブ首脳が「ワクワクする攻撃的なサッカーをするため」の決断だった。関係者によると、同監督を招聘(しょうへい)した梶野智チーム統括部長(55)の責任問題にも発展しているという。

後任が確実な小菊コーチは元々、レビークルピ監督が1年限りで退任し、来季から監督に就任する予定だった。スカウト時代に高2の香川に目をつけ、トップチームでも計約15年間も指導。攻撃的なスタイルの指導に定評があり、人間的な評価も高い。

今季のC大阪はACLで1次リーグ突破、天皇杯は8強に進んでいるが、J1では現在12位でJ2降格の危険性はある。監督の途中交代はリスクがあるが、28日の大阪ダービーは新生セレッソで臨むことになりそうだ。

◆小菊昭雄(こぎく・あきお)1975年(昭50)7月7日、神戸市生まれ。滝川第二高、愛知学院大を経て、98年C大阪下部組織のコーチに就任。スカウト時代の05年に当時高2の香川真司を入団させ、06年以後は主に尹晶煥、ロティーナら歴代監督の下でコーチを務める。家族は夫人と1男。