J2ジュビロ磐田はアクシデントにも動じず、堂々と渡り合った。この日は体調不良の鈴木政一監督(66)に代わって服部年宏ヘッドコーチ(48)が指揮を執った。思わぬドタバタ劇となったが、試合は互角の展開。J1相手にもひるまなかった。

スタメンは23日のリーグ愛媛戦から10人を変更。今年加入したモルドバ人GKアレクセイ・コシェレフ(27)も先発し、磐田でのデビューを飾った。相手はJ1で18位に沈んでいるが、鈴木監督は「ジュビロのサッカーが今どこまで通用するか見られるいい機会。やるからには勝利を目指す」と意気込んでいた。リーグ戦で次節出場停止のFWルキアン(30)も先発出場。前半28分にはミドルシュートを放つなど、ゴールへの意欲を見せた。

0-0で折り返した後半は、助っ人GKがチームを救った。コシェレフは開始早々にあわやオウンゴールのボールをストップ。直後の立て続けに浴びたシュートも、素早い反応でセーブした。守護神の好プレーで耐えてしのいでいたが、同20分にCKから大分FW長沢駿(33)にヘディングで押し込まれ、失点。J1清水の下部組織で育った長身FWにゴールを許した。

その後はFW大津祐樹(31)ら主力を入れて反撃を狙うも、同ロスタイムに痛恨の2失点目。2004年度以来17年ぶりの4強入りは逃した。来季を見据えたJ1との“腕試し”には敗れた。ただ、来季J1昇格が懸かるリーグ戦に向けて、集中できる環境は整った。今季は残り7試合。目標達成に向けて気持ちを切り替える。【神谷亮磨】