仙台大(宮城)が不完全燃焼で初戦敗退した。強風、雨が終始降りしきる悪条件の中で、磨いてきた攻撃サッカーを展開できず、東海学園大(愛知)に0-1で競り負けた。今夏の総理大臣杯全日本大学トーナメントは、東北予選で準決勝まで進出したが、登録外選手がプレーしたとして失格。今季初の全国大会でも無念の結末を迎えた。来季J2に昇格するロアッソ熊本加入が内定している主将のMF藤田一途(いっと、4年=横浜ユース)が、チームを鼓舞し続けた。

1発に沈んだ。前半3分、強烈なミドルシュートを浴び、出ばなをくじかれた。試合開始早々からピッチに水たまりができ、パスがつながらない。攻撃の形を作れず、試合を通して放ったシュートは1本だった。「自分たちがやってきたことを続けるか、割り切ってサッカーをするか、迷いが出た。勢いある1発をやられ、最初の入りを間違えてしまった」と悔やんだ。

熊本の特別指定選手として6試合でベンチ入りも、出場はゼロだった。J3優勝とJ2昇格を決めた5日の岐阜戦はスタンドで観戦していた。「試合に出られなかった悔しさはありましたが、昇格はすごくうれしかった。来季からスタメンで活躍したいと心から思いましたし、この世界で残っていくんだと強い決心がつきました」。文字どおり「いっと」の名前には「一途に育ってほしい」との願いが込められている。一途に、ひたむきに熊本で自分を磨く。【山田愛斗】