絶対王者が凱旋(がいせん)した。第100回全国高校サッカー選手権で3大会ぶり3度目の優勝を果たし、全国高校総体、高円宮杯U-18プレミアリーグEASTとの3冠を成し遂げた青森山田イレブンが、11日夕に青森市内の同校に帰着。生徒、学校職員ら約400人に迎えられ、優勝報告を行った。U-22(22歳以下)日本代表でJ1FC東京入団が内定している松木玖生(くりゅう)主将(3年)は「青森に優勝旗を持ってこられてうれしい」と充実感をにじませ、プロ1年目での「開幕戦出場」に意欲を示した。

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青赤の松木が早くも始動する。今季の東京は昨季までJ2新潟を率いたアルベル新監督(53)が就任。日本代表DF長友佑都(35)ら実績十分な選手が多く「メンツもすごく濃いので」と合流を心待ちにしている。「監督の色に染まっていかないといけないし、自分の特長を常に出してアピールして、1年目なので食らいつきたい」。17日からは沖縄・国頭キャンプが始まり「時間がないので、しっかり疲労をとって、間に合わせてという感じです」。早期に合流する見込みだ。

青森山田ではMFでボランチやシャドー(1・5列目)の位置で主にプレーしてきた。東京の強化部からはボランチ、トップ下(1・5列)での起用を考えられているという。天性の得点感覚を誇り、FWでもプレー可能。U-16日本代表ではDF登録で背番号「3」の左サイドバックとしてピッチに立った経験もある。「実際にどこでもできるので、FC東京では与えられたポジションは全部やろうと思っています」。試合出場に向けて、できることを貪欲に取り組む。

利き足が同じ左でマンチェスター・シティーMFフィル・フォーデン(21)を好きな選手に挙げる。東京では同選手の背番号「47」をつけたい気持ちもあったが、クラブ側から提示された「44」に決まり「1年間で44番を自分の色にしていきたい」。高2から背負った「10」に別れを告げ、新たな相棒を代名詞にする。

下は向かずにひたすらに上を目指す。尊敬する“ホスト界の帝王”ROLAND(ローランド=29)の著書「俺か、俺以外か。」にある「ローランドが下を向くのは、出勤時に靴を履くときだけさ」がお気に入りのフレーズだ。プロ1年目。東京では「子供たちに夢を与えられるような選手になりたい」。高校NO・1からJリーグNO・1へ、あっという間に駆け上がる。【山田愛斗】