J2モンテディオ山形は昨季7位から逆襲し、一気に頂点を狙う。J1の舞台は15年が最後。8季ぶりの昇格に向けて、開幕戦は19日にアウェーで群馬と対戦する。日刊スポーツ東北版では「モンテの顔-@千葉・市原キャンプ」と題して、注目選手を随時紹介。第1回は背番号「10」を背負うMF山田康太(22)です。昨季の期限付き移籍を経て、J1横浜から今季完全移籍。小中高と下部組織時代から10年以上を過ごした古巣に別れを告げ、並々ならぬ思いで1年を戦う。
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「ヤマのプリンス」がJ2王者への鍵を握る。山田康は山形1年目の昨季は全42試合(先発41、途中1)に出場し、8ゴール5アシストと堂々の成績を収めた。就任2年目のピーター・クラモフスキー監督(43)は「日本最高のフットボール」を掲げ、誰もがワクワクするような攻撃的スタイルをチームに植え付けている。それを体現する「申し子」として今季も攻撃のタクトを振る。
「僕が(ペナルティー)ボックスの中で仕事をしたり、ゴールに直結するようなプレーを多くできたら、順位に直結すると思う」
個人目標は内に秘めるタイプだ。ゴール、アシスト数は「自分の中で大体はイメージしている」が、それをプレッシャーにしないためにも胸に刻み、目の前の1試合1試合に集中する。「自分がベストなプレーをすれば数字もついてくる。まずはチームが勝てるようにやっていきたい」。勝ち点3獲得に全力を注ぐ。
背番号「10」を背負う。エースナンバーを託されるのは横浜ユース時代の17年以来5年ぶりだ。「特別何かがあるわけではない」と受け止めるが、クラブと話し合い、昨季の「14」から変更となった。
「やっぱりモチベーションが上がりますし『だらしないプレーはできない』『身が引き締まる番号だな』と実感しています」
ユースで身につけていた際とは感覚が違う。「『(当時は)10番がカッコいいな』とか思いましたけど、プロでは結果が求められ、何もしなかったら、たたかれるような世界なので頑張りたい」。クラブ関係者によると、今季のユニホーム販売枚数では、山田康の「10 KOTA」に人気が集中しているという。
「ハマのプリンス」とも呼ばれ、横浜サポーターから愛された。高校3年時の17年にはユースで主将を務め、Jリーグ公式戦に出場可能な2種登録選手としてルヴァン杯2試合、天皇杯1試合に出場。翌年にトップチーム昇格を果たした。19年夏からJ1名古屋、20年はJ2水戸、21年は山形と3度の期限付き移籍を経験。今オフには「僕のすべて」「大好きなクラブ」と特別な思いがある横浜を完全移籍で離れる決断をした。
「昨年、昇格を逃して悔しい思いをしました。このチーム(山形)でもう1度プレーして目標を達成したい思いが強かったし、いろいろな選択肢がある中で『このチームでプレーしたい』と思わせてくれるような昨年だった。ファン、サポーター、スタッフのためにも結果を残したい」
昨季開幕はボランチでスタートした。昨年4月に石丸清隆監督(48=現J3愛媛監督)が途中解任。同5月の第14節からクラモフスキー監督が就任すると、主にトップ下でプレーし、水を得た魚のように躍動した。「ポジションが変わり、結果が出始めた」。得点に絡む場面が増え、新体制の29試合で8ゴール4アシスト。それまでの13試合は1アシストと苦しんだが、見事に巻き返した。「チームが勝つために、どうしたらうまくいくかに執着したシーズンで、最低限の数字は残せた」と一定の手応えをつかんだ。
山形で再会した。山田康が横浜在籍時にヘッドコーチだったクラモフスキー氏。当時は選手と一緒に自主練習をするような立ち位置で「気さくで、冗談を言ったり、ふざけ合ったりしていた」。昨季は監督の立場でやってきて「最初は溶け込めてないのもあり、硬くて、会わないうちに『少し怖くなった』と思いましたけど、今は前と一緒のピーターに戻ったというか、慣れてきたので、安心しています」。指揮官を一番知る人物としてピッチ内外でつなぎ役となる。
今季は19日の群馬戦を皮切りに熊本、千葉、甲府とアウェー4連戦でスタートし、ホーム初陣は3月20日の仙台との「みちのくダービー」だ。「アウェーが続くので内容とかも大事ですけど、結果にこだわってやっていきたい」。チームの顔、エースとして強い山形を証明する。【山田愛斗】
◆山田康太(やまだ・こうた)1999年(平11)7月10日生まれ、神奈川県藤沢市出身。大越SSS、横浜プライマリー、横浜ジュニアユース、横浜ユースを経て18年に横浜のトップチーム昇格。名古屋、水戸、山形への期限付き移籍を経て今季完全移籍。Jリーグ初出場は18年4月28日、同初得点は同7月22日。J1通算9試合1得点、J2通算77試合11得点、リーグカップ通算14試合0得点。U-18、19、20日本代表。背番号「10」。利き足は右。175センチ、68キロ。



