Jリーグの30年目のシーズンが開幕し、史上2度目の3連覇を狙う川崎フロンターレとFC東京が対戦した。東京は、今冬の高校選手権で青森山田を優勝に導いた新人MF松木玖生(くりゅう、18)がスタメンでプロデビューした。高校出身1年目の開幕戦スタメンは東京では初めて。後半27分までプレーし、存分に存在感を放った。試合は終盤に均衡を破った川崎Fが1-0で勝利した。

約1カ月前には青森山田の緑のユニホームを着ていた18歳が、堂々のデビューを飾った。アルベル体制となった東京で4-3-3のインサイドハーフ。前半24分には中盤からFW永井へのスルーパスで得点機を演出。28分には痛烈なミドルシュートでゴールを脅かした。GKに阻まれると声を荒らげ悔しがった。「得点したかったし、決めきるかで勝敗が決まる。練習から神経を使ってやりたい」と話す表情に迷いはなかった。

後半5分にはプレスが遅れて相手を倒してイエローカード。「全然負けていなかった」と手応えを得た球際では足を踏まれ、しばらく立ち上がれない場面もあった。3連覇を狙う王者を相手に公式戦の強度を体感。ボールを失う場面も多かったと振り返り「もう少し周りを見ることや、最後の質がまだまだ」と満足感はなかった。

高校時代にU-20日本代表に飛び級で選出された。フランス1部リヨンの練習にも参加。海外志向も強かったが、数多くのオファーの中から東京を選んだ。DF長友の存在も決断の理由の1つ。「海外のいろんな国で挑戦している。ピッチ外の努力もまねしたい」。自身に足りないものを探し続ける貪欲さがある。

J1の舞台で十分にやれる実力を示した。試合後、アルベル監督から「遠くない将来、日本サッカー界に大きな喜びを与える選手に育つと期待している」と賛辞を贈られた。「(ボールを)奪われないで得点も決められるインサイドハーフになりたい」と、はっきり誓った。【岡崎悠利】

◆松木玖生(まつき・くりゅう)2003年(平15)4月30日生まれ、北海道室蘭市出身。青森山田高で3年時に主将として全国高校総体、高円宮杯U-18プレミアリーグ東地区、高校選手権の3大タイトル獲得。高校選手権では1年時の初戦から全試合に出場しボランチながら通算15試合10得点。昨年10月にはパリオリンピック(五輪)を目指すU-22日本代表に18歳で選出された。利き足は左。180センチ、76キロ。