ド派手な「フォギーニョ砲」を打ち上げた。J2ベガルタ仙台MFフォギーニョ(29)が2ゴールを挙げる活躍でチームを「ホーム4連勝」に導いた。1-0で迎えた後半5分に右足で今季初ゴール。同17分には左からのクロスに左足ダイレクトで2得点目をねじ込んだ。今季最多の「4発快勝劇」で金沢を一蹴。今季16試合目で初の首位に浮上した。J2優勝、その先にあるJ1復帰へ-。もう、勢いは止まらない。

フォギーニョがユアスタ全体を熱狂の渦に変えた。歓喜に沸くサポーターの前で右拳を握り、何度も渾身(こんしん)のガッツポーズ。雄たけびとともにボルテージは一気に最高潮に。来日初ゴールを含む2ゴールに酔いしれた。

「サポーターの喜びが我々の喜びにつながりますし、喜びを与えられることがモチベーションの1つになる。(サポーターの応援が)勢いをつけてくれますし、もっと勝利を届けていきたいと思います」

チームを首位へ押し上げる立役者となった。1点リードの後半5分。ドリブルでゴール前へと駆け上がり、最後は右足を振り抜いた。来日2年目でのJリーグ初ゴールに「ずっと得点を決めたいと思っていて、ファーストゴールが生まれた。チームの勝利に貢献できたことがうれしい」。後半17分には左からの速いクロスに反応。決定的なチャンスにも冷静にダイレクトで沈めた。後半だけで2得点と存在感が際立った。

攻守で躍動したブラジル人を象徴するのが「4年前から伸ばしている」迫力満点のあごひげだ。そんなトレードマークは特別なオイルを使用して清潔感を保ち、きれいに整えている。ゴール後にはDF若狭に自慢のあごひげをいじられる手荒い祝福もあったが、どこか心地よさそうだった。「今のところ切るつもりはありません。まだまだ自分のトレードマークとしてやっていく」と笑顔で話した。

今季はここまで16試合を戦い、10勝4敗2分けで2位横浜FCと勝ち点差なしの首位に立った。それでも慢心せず、次節へと向かう。「チームのために地に足をつけながら、謙虚にハードワークを続けていきたい」と誓った。J2優勝を果たし、J1返り咲きの一翼を担う。【佐藤究】

○…FW中島元彦(23)が、移籍初ゴールを華麗に決めた。0-0の前半38分。ペナルティーエリア左でFKを獲得すると、満を持してキッカーに志願。右足で直接狙ったシュートは、緩やかな放物線を描いてゴール右隅へ突き刺さった。「なかなかゴールを取れないことが自分の足かせになっていた。この試合に関しては(原崎)監督に『もう決めるよ』と言っていた」と有言実行した。