男子は青森山田(青森1位)が花巻東(岩手1位)に2-1で競り勝ち、17年以来3大会ぶりに東北大会を制した(20、21年は新型コロナウイルスの影響で中止)。決勝弾を決めたFW米谷壮史(2年)が今大会4ゴールの活躍で優勝に大きく貢献した。

名実ともに東北王者に輝いた。今大会で指揮を執った正木昌宣コーチや選手は皆「東北では負けられない」と口をそろえていた。そんな思いを胸に臨んだ決勝。前半の立ち上がりは花巻東の勢いに押された。同5分、自軍DFがクリアしたこぼれ球を押し込まれ先制点を許すと、同11分にもクロスから決定機を作られた。相手の攻勢で迎えた同14分。右CKをペナルティーエリア中央でDF多久島良紀主将(3年)がヘディングで落とし、そのボールをDF三橋春希(3年)が押し込みゴール。試合を1-1の振り出しに戻したことで、徐々に青森山田のエンジンがかかってきた。

後半14分。同9分から途中出場した米谷の前にわずか5分でチャンスが舞い込んだ。左のクロスが相手選手に当たったこぼれ球を右足で決勝弾! 米谷は「早速、良い流れで自分の前にボールが転がってきた。混戦の中でもボールを見てうまく流し込めました」。前半は花巻東に4本のシュートを打たれたが、後半は0本と堅守も発揮。激しいプレスで相手の足を止めた。

東北の頂点はつかんだ。だが、昨年度の全国選手権、全国高校総体、高円宮杯U-18プレミアリーグEAST3冠を達成した先輩の偉業はあまりにも重い。米谷は「先輩たちの勢い、迫力は身体に直接来る。そこを目指してもう1回スイッチを入れ直して、練習から頑張りたい。まだまだ近づけていないです」と語った。東北で力を示した。次は全国の頂点だ。偉大な先輩の背中を追いかける青森山田イレブンが、インターハイ連覇に向けて加速する。【濱本神威】