Jリーグ各クラブの23年シーズンが始動した。今季の体制も続々と発表され、新たな陣容も見えてきた。今年も選手の活発な行き来があった中で、浮かび上がる近年のトレンドとは?

   ◇  ◇  ◇  

J2からの「個人昇格」が相変わらず目立つ。昨季のJ1参入プレーオフで昇格を逃した4位の熊本からはJ2アシスト王のMF河原創(鳥栖)ら4人(期限付き移籍は除く)。同5位の大分、同6位の山形からも各3人と、J2クラブの主力の多くがJ1チームに移籍した。チームとしてJ1昇格はならなかったが、J2で実戦経験を積んだ選手が個人としてステップアップを遂げた。

成功例も多数あり、J2岐阜からJ1神戸に移籍したFW古橋亨梧は象徴的。18年途中までに11得点を挙げてJ1神戸に移籍すると、19年からは3年連続で2桁得点。その後はスコットランドのセルティックへと渡り、今季は14日現在で得点ランキング首位の15得点を記録している。

W杯カタール大会の日本代表FW町野修斗もプロ1年目はJ1横浜で出場機会がなく、その後はJ3、J2の北九州でプレーした。そこで結果を残してJ1湘南に「個人再昇格」を果たすと、昨季は日本人最多の13得点をマーク。J3、J2という受け皿があったからこそ、その才能も花開いた。今季もJ2経験者で日本代表入りするような選手の台頭が期待される。【石川秀和】

◆23年Jリーグの選手登録 第1登録期間(ウインドー)は1月6日~3月31日。第2登録期間は7月21日~8月18日に設定されている。原則として選手の移籍はこの期間中にのみ可能となる。無所属の選手や育成型期限付き移籍などは例外で、リーグ戦及びルヴァン杯の出場資格を得るための追加登録期限はJ1、J2、J3が9月8日、ルヴァン杯が10月6日。