今季コンサドーレ札幌の新コーチに元MF砂川誠氏(45)が就任した。

18年から昨季まではアカデミーのコーチを務め、下部組織での育成に携わっていた。現役時代は03~15年途中まで札幌でプレー。当時のクラブ最長となる13シーズン在籍したレジェンドが、指導者という立場で再び赤黒のために戦う。その喜び、覚悟について語った。【聞き手=保坂果那】

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-札幌のコーチ就任について

砂川コーチ 自分としてはトップチームで仕事するのは1つの目標だったので、うれしさがある。尊敬するミシャさん(ペトロビッチ監督)と毎日一緒に仕事ができるのは、指導者としてかなりいい経験になると思う。しっかり吸収して自分のものにしたい。トップチームなのでチームの勝利が大前提として義務付けられている。タイトル獲得や上位チーム入りが目標としてある。そこに少しでも力になれれば。というか、ならなきゃと思う。

-コーチとしての自身の役割は

砂川コーチ ミシャさんのやり方、マインドをしっかり理解して選手に伝えていったり、トレーニングやゲームに対してチームを盛り上げるのも仕事。若い選手のケアだったり、自分の経験を伝えていくのも役割なのかなと思う。(DF西野)奨太や(DF中村)桐耶はアカデミーで直接見ていた。桐耶は徐々に出場機会を増やしているけど、もう1つ上にいくために何かできることがあると思う。一緒にボールを蹴ることもまだ多少はできる。

-指導者を志したのは

砂川コーチ 30歳を過ぎて引退について自然と考えるようになり、プレーが一番楽しいけど、次に何が楽しいかなって考えると現場に立つことだったので、悩むことはなかった。引退して2年間(16、17年)は札幌大で指導していて、その時ちょうどミシャさんが浦和で素晴らしいサッカーをしていた。何十試合って浦和を参考に見ていたなかで、札幌に(監督として)来るんじゃないかってうわさが出て。三上さん(GM)にミシャさんが来るなら近くで見られる環境で仕事がしたいと伝えさせてもらった。

-ペトロビッチ監督のサッカーは魅力

砂川コーチ サッカーだけじゃなくてマインドだったり。練習メニューで実際試合で出るように組織されていく様子をここ数年見てきたので、俺もこういう監督のもとでやってみたかったなっていうのは非常に思っている。

-03年に柏から移籍してから、札幌は深いつながりのあるクラブになった

砂川コーチ 03年の時はもっと試合に出たいという気持ちで来ていたので、そこで結果を残さなきゃって思っていた。ミシャさんがミーティングでクラブに対しての愛や、札幌を強いチームにすることが自分たちができることって話をしていた。自分は選手時代にはできなかったけど、そういう気持ちではやっていた。成し遂げたかったって気持ちもあるけど、今はコーチという立場で目指せる。自分が選手の時より大きな目標になったが、力になれたら。

-指導者としての目標は

砂川コーチ プロチームの監督になりたいっていうのが、引退した時からの目標だった。小中高大学生っていろんな指導現場に立って経験させてもらった。目標としては監督を目指したい。ただそれには自分の実力がないといけない。まずプロのトップクラブのコーチとしてしっかり信頼を得たい。

◆砂川誠(すなかわ・まこと)1977年(昭52)8月10日、千葉・習志野市生まれ。96年柏でプロ入りし、03年札幌に加入。当時のクラブ史上最長在籍13シーズン、リーグ戦歴代最多415試合出場を記録した。15年途中で岐阜に移籍し、同年限りで現役を引退。現役時代のポジションはMF。J1通算119試合7得点、J2通算376試合34得点。16年札幌大サッカー部コーチ、18年札幌アカデミーコーチに就任。