「横内ジュビロ」が上々の船出を飾った。J2ジュビロ磐田は鹿児島キャンプ5日目の26日、チーム初の実戦に臨んだ。鹿屋体育大との練習試合(30分×3本)で4-0の完封勝ち。チーム再建を託された横内昭展監督(55)は堅実な戦いぶりを披露した。

大学生相手にも隙は見せなかった。1本目の9分、クロスからの折り返しをFWジャーメイン良(27)が頭で押し込み、今季のチーム1号をマーク。「結果にこだわることを意識した」一戦では献身的な守備でもアピール。横内監督が選手に求めたプレーをピッチで体現した。

指揮官は守備の再構築をチーム立て直しのポイントに挙げた。昨季はJ1でワーストの57失点。今季は大崩れしない戦い方を基本線としている。横内監督は「切り替えや競り合いで負けないことは当たり前。その部分はさらにやらないといけない」。試合中は主に守備面での指示を出し、球際での強さを求めながら帰陣する細かいポジショニングなども指摘した。要求通りの内容に「よくやってくれた」と満足げだった。

昨季までは3バックが基本布陣だった。同監督は「去年までの形は選手がすぐに適応できると思う。今の段階ではいろいろトライしてオプションを増やしていければ」と、4バックとの併用も視野に入れている。DF鈴木海音(20)も「今年は4バックもやっていく。リスク管理の部分をしっかりと詰めていきたい」と先を見据えた。

キャンプではJクラブとの練習試合を3試合行う。戦術家の指揮官は「まだまだ途中。ここから(細かい戦術は)少しずつやっていく」と強調。実戦を通じてチームの土台を築いていく。【神谷亮磨】