18日に京都サンガと開幕戦を戦う鹿島アントラーズの岩政大樹監督(41)が、17日に取材に応じ、常勝軍団復活への道筋となるべく、チャレンジャー精神で開幕1勝をもぎとる意欲を見せた。

開幕で表現したいことについて、岩政監督は「僕らはチャレンジャー」と選手に話していることを明かし「鹿島は常勝クラブだったクラブ。もう一度タイトルを取り続ける常勝クラブになりたいのが僕たちの願いで、その道のりにいる」と強調した。指揮官は、チャレンジャー精神がないと、横浜F・マリノス、川崎フロンターレのような選手が楽しそうにハードワークするサッカーにはならないとし「たがを外して選手にチャレンジャーとして、思い切りプレーを楽しんでもらえるようなサッカーをしてほしいし、その第一歩として示せる試合にしたい」と意気込んだ。

目の前の一戦での勝利と、中長期の青写真をにらんでのチーム構築。昨季途中から就任したばかりの岩政監督は、この両輪で結果を出すことを求められている。当然、難しいミッションだ。岩政監督は、海外のセリエAで首位を走るナポリと、プレミアリーグで上位のアーセナルの両クラブを例に挙げる。

岩政監督 「ナポリはスパレッティ監督が1年目から結果を出していますが、サッリ監督の時代から何年も積み重ねたサッカーがあって監督がマネジメントしている。アーセナルはアルテタ監督が壊れたところからつくり直し、結果を出していますが今、4年目。監督1年目でも、難しさは違う。大きく分けて2つあるが、鹿島は後者ですから。難しさは当然あります。他のチームが当たり前に何年も前から取り組んだことに取り組んでこなかった現状がある。これを一からやりながら結果につなげる作業は簡単でない。それをやるために呼ばれたと思っている。それをやれると自分で言い聞かせながら選手と取り組んでいる」。

新しい鹿島を構築する道のりは平たんではないが、強い覚悟と意思を口にした。

昨年は暫定監督として開幕を指揮したが、今季は監督として開幕で指揮を執る。プレシーズンマッチではJ2相手に1勝4敗。岩政監督は「暫定監督と監督では、周囲の見る目が違う。プレシーズンであまり結果が出なかったと、現状勝ち点は失ってないけどすごくプレッシャーをかけられている」と苦笑し「そういうクラブだなと思いながら、そういう役割を僕が担って、これに逃げてられない」とキッパリ。

今季は、ピッチで結果を残した選手が生き残る競争も加速する。開幕の戦いに「新しい、若い鹿島の選手がこれからどう覚悟をピッチ上で見せてくれるような試合にしたい。その上で1歩1歩前進していくシーズンにしたい。その1歩目としてまず勝ち点3を取りたい」と決意を語った。