けがで戦列を離れていたセレッソ大阪のMF原川力(29)が29日、大阪市内で行われた公開練習でチームに本格合流した。

開幕から大腿(だいたい)部に痛みがあり、3月8日のルヴァン杯東京戦のフル出場を最後に、公式戦は最近3試合を欠場し、リハビリに努めてきた。

関係者の話によると、復帰は4月5日のルヴァン杯アウェー京都戦になる見込みだ。

取材に応じた原川は「自分がやれることやって(4月は)連戦になるんで、いい準備をしたい」と話し、その表情は明るい。

C大阪は昨年から終盤の失点が多く、今季もその流れを断ち切れず、リーグ戦は1勝2分け2敗と出遅れている。

「やっているのは選手なので、やるしかない。(目先の)1試合、1試合をどうこうするというよりは、積み重ねのある試合ができればいい」

主にボランチを担い、セットプレーでのキック力や破壊力あるミドルシュートなど、自身の名前通りに力感あふれるプレーが代名詞。本来は日本代表に定着できる実力がある。

16年リオデジャネイロ五輪代表の29歳は、鳥栖から21年にC大阪へ移籍。その1年目から主力で活躍し、21年3月には、W杯アジア2次予選に臨む日本代表への初招集が発表された直後のリーグ戦で負傷し、無念の辞退となった。

2年目の昨年は8月の神戸戦で激しい接触を受け、左肩関節の脱臼で手術。全治約6カ月となり、その後のシーズンを棒に振った。原川の離脱とともに、一時はシーズン3冠の可能性もあったチームは失速し、無冠に終わった。

悲運のけがの連続で実戦から遠ざかり、今季開幕後も本来のプレーは取り戻せないでいた。だが、この約3週間でコンディションは上がってきた。

C大阪の中盤は、香川真司(34)や奥埜博亮(33)、鈴木徳真(26)らがおり、リーグ屈指の激戦区。さらにJ1通算171試合18得点の実績を誇るベテランの復帰で、チームは4月から本格反攻に入る。