ドイツ2部キールへ移籍する湘南ベルマーレFW町野修斗(23)が、古巣横浜との「Jリーグ・ラストマッチ」でゴールを決めた。後半30分に味方が得たPKから得点した。4日に渡独する町野に用意された最後の舞台が、高卒でプロ入りしたクラブとの一戦。試合を通してシュート、パス、ポストプレーとさまざまなプレーを高いレベルで披露し、攻撃の中心となった。両クラブのサポーターにその成長ぶりを見せつけ、恩返しをした。

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プレーに自信が満ちあふれていた。試合開始早々2失点するなか、前半13分に相手GKのクリアミスを拾い、チームのファーストシュートを放つなど、前半だけで3本のシュートを記録。失点した際には「オレにボールを預けろ」と言わんばかりのジェスチャーで味方を鼓舞。劣勢の中で、1人、気を吐いた。試合前に「自信のない選手が多いので勇気を持ってプレーしてほしいですし、先頭で引っ張れたら」と語っていた通り、攻撃陣をけん引した。

そして得点の機会が巡ってきた。0-3とリードされての後半30分。MF小野瀬が倒されて得たPK。冷静にボールをセットし、右隅へシュートを決めた。

「いつも通りリラックスして決めることができた。(小野瀬)康介が蹴らしてくれて感謝しています」

J屈指のFWとして海外移籍を勝ち取るまでに成長したが、高卒で入団した横浜では苦労した。実戦形式の練習では、メンバーに一切入れず、その間は別のグランドに移動して練習をすることもあった。公式戦出場時間は0分。そんな試練にもめげず、期限付き移籍先の北九州でブレーク。湘南に移籍し、カタールW杯メンバーまで成り上がった。

今季もチームトップの9得点とコンスタントに結果を残すが、6月シリーズでは日本代表メンバーに選ばれず、悔しい思いをした。「自分の良さをもっと伸ばして、海外の屈強なディフェンダーに対しても、通用するようなレベルに行きたいですし、目標はやっぱ、また日本代表に戻って代表のストライカーになること。それに必要な部分を何か常に考え、成長したいです」と代表復帰を目指す。

チームが最下位に沈む中での移籍は苦渋の決断だった。それでも「世界で活躍する」という夢を諦めず、クラブも尊重してくれた。ステップアップし、3年後のW杯で活躍する。「一番の目標はまずはそこ(W杯)。それまでの活動も中心でやれるようにしたいですし、まずメンバーに入ってチームの目標、超えたことのない壁を自分のゴールで超えるような選手になっていきたい」と力を込めた。

どんな環境でも自分の力を信じて、志高く努力を続けるストライカーが、海の向こうで飛躍を遂げる。【佐藤成】

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