J2東京ヴェルディへの来季加入が内定しているMF食野壮磨(4年=ガンバ大阪ユース)が、持ち味を存分に発揮してチームを勝利に導いた。

4-2-3-1のトップ下に入った食野は、さまざまな位置でボールに関わり、前に入ってこないと思えば、下がった位置でボールを受け、チャンスと見るや相手ゴール前に顔を出し、判断良く、少ないタッチで好機をつくった。

前半32分には、ペナルティーエリアでキープした味方からの落としを、左足でゴール左上に突き刺して先制点。「もう決めるだけだった。精度には自信があった」と冷静に決めた。

後半も左右に開いてチャンスメークしたり、ゴール前の狭いスペースで受けて反転シュートを打ったりとチームの中心としてプレーし、前期から続く連勝を「6」に伸ばし、首位キープに貢献した。

食野は自身を「味方を生かしながら、生かされる選手。常に前を目指して相手に捕まらないポジションを取って、触られないプレーをする」と表現する。

この試合でも、その言葉通り良い位置取りでボールを引き出し、ワンツーで味方をフリーにしてからゴール前のプレーに関わる一連の動きで、相手の脅威となった。

ガンバ大阪でプレーする兄の亮太郎を見て体の使い方やぶつけ方を学び、東京Vに2週間、練習参加して「レベル的にはやれる」と手応えを得た食野の目標は、今季中のJデビューと、京産大でのタイトル獲得だ。

24日の日韓定期戦を戦った全日本大学選抜に招集されながら「中2以来の出場0分」に終わった悔しさもあり、「関西制覇して京産大の価値を高めて、その後のインカレで力を証明したい」と目をギラつかせる。

東京Vでの練習参加時や全日本大学選抜ではアピール不足も感じたという主将は、「顔つきから強気ですよね」という兄にも負けない気持ちの強さも身に付け、その名をさらに広めようとしている。【永田淳】