明治大FW中村草太(前橋育英/3年)が東京国際大戦でリーグトップの今季11アシスト目を記録した。

0-0の前半22分、右サイドの背後に抜け出すと、相手DF2人を引きつけて絶妙なクロスを供給。ゴール前にいたFW太田龍之介(岡山U-18/4年)の先制点をお膳立てした。

「1点目のアシストができたのは、自分の特徴が出て良かったですけど、その他で思うようなプレーができず、チームに貢献できた勝って言われると『?』が残る。もっとできたんじゃないかっていうのがある。全然ダメっていうのが正直な感想です」と自分に厳しく振り返った。

風上だった前半は、裏への抜けだしや、ドリブル突破などで存在感を発揮。前線からのプレッシングも怠らなかった。しかし、風下となった後半は、防戦一方で守備の時間が長くなった。その中でもチーム全員で耐え切って勝利をつかんだ。

「一番良かったことは勝てたこと。長いリーグ戦の中で明治として毎試合圧倒することは意識しているけど、苦しい試合に勝てたのが一番大きい成果だった」と勝利を素直に喜んだ。

今夏、ドイツ1部ブレーメンに移籍した佐藤恵允に変わり、背番号10をつける。

「10番っていう重い番号で、代々先輩がつけてきたプレー像、責任もあるけど、自分色に染めるというか、代々の先輩がこういう感じだったけど、自分はこんな感じだし、また新しい10番像を築き上げられたらいいなっていうのはある」と前向きに取り組んでいる。

スピードを生かした裏への抜けだしやDFとの駆け引きが得意。パワーに優れる佐藤とは全くタイプが異なるが、その偉大な背中を追ってきた。

「あの人が明治を引っ張ってきた。今ドイツで活躍してますけど、自分も負けないぞって。まずは明治で結果出して、恵允さんがいなくても勝てるよ、大丈夫だよっていうのをみせたい。そう思わせるくらいじゃないと恵允さんが納得してくれない。出て行った意味がない。そういうところは心に置きながらプレーしています」と心持ちを明かした。

小中高では攻撃ばかりで守備はほとんどやらない選手だったという。しかし、明大に入りその考えを改め、ハードワークを覚えた。「自分が1年で入ってきた時に、今の姿は想像できなかった」と笑う。日々の練習で先輩たちが体現する強度に追いつこうともがき、試合に出るために守備を習得した。現状に満足することはないが、これまでの歩み、成長には及第点をあげられるという。

高校の同期や同学年の選手がプロ内定し始めている状況に焦りがないわけではないが、地に足つけて、日々の取り組みに全力を尽くす。

「夢をつかむチャンスがここ明治にはある。そのためには試合に出なきゃいけないし、結果も残さないといけない。先を見るのも大事だけど、例えば今日の1試合、練習の1日に全力で取り組む中で見えてくる。行きたいだけじゃかなえられない。明治大学っていうこの組織の中で、1日1日を全力で取り組む。そこをぶらさずに行く人間が最後、結果が付いてくる。目の前の1日を全力でやる。結果は後から付いてくればいい。自分もやってきていないわけじゃないので、明治でやっていれば、誰かは見てくれている。それを信じて毎日やるしかないです」

夢は日本代表として、ワールドカップに出場すること。そこから逆算すると、来年のパリ・オリンピック(五輪)への出場は必要なステップだ。4月には、パリ五輪世代のU-22日本代表候補に選出された。

「可能性はほんのちょっとしかないと思うんですけど、まだまだチャンスはあると思う」

一歩一歩前進し、夢をつかみ取る。【佐藤成】