セレッソ大阪の副主将MF鈴木徳真(26)が11日、大阪市内で行われた公開練習後、取材に応じた。
リーグ戦今季初の3連敗中のC大阪は、3試合とも無得点という状況で3週間の中断期間に突入。苦しい流れを断ち切るため、救世主に期待されるのが、ボランチの鈴木だ。
中断明け初戦となる21日のアウェー・サンフレッチェ広島戦に向け、背番号17は「チャンス(出場機会)は準備していれば、絶対に巡ってくると思っている」と冷静に語った。
徳島ヴォルティスから加入1年目の昨季は、25試合2得点と大活躍し、ボランチの定位置をつかんだ。飛躍が期待された今季は、ここまで17試合無得点。先発は7試合だけで、6月3日名古屋グランパス戦の先発を最後に、サブかベンチ外が続く。
開幕前のけがで出遅れ、本来のプレーができない時期もあったが、サブに甘んじる選手ではないことも確かだ。何より正確なキック力は、停滞感のある攻撃面にセットプレーや、急所を一発で突くパスなどで貢献できる。
鈴木は改めて「自分にしっかりフォーカスして、準備をしたい」と話し、普段から気負いすぎる精神状態にならないよう、心がけているという。
「人は何かを期待すると、かなわなかった時にショックを受ける。そういうことは過去、自分が若い時、何回も経験している。同じことを繰り返さないように、自分は何回も修正してきたつもり。だから、自分が成長したいということにフォーカスしている」
来年3月に27歳を迎えるプロ5年目は、その精神力の強さはC大阪でも随一といえる。複数のクラブ関係者は「C大阪にはいない優等生、リーダータイプ」と口をそろえる。全国高校選手権で準優勝した前橋育英時代は主将、今季からC大阪では副主将を任されるのも、鈴木のハートの強さあるからこそだ。
「副主将だから、こういうアプローチをしているわけではない」とした上で、鈴木は「全体練習が終わって、誰と誰がグラウンドで話しているか、誰と誰が(戦術などの)すり合わせをしているかを、聞いたりしている。どこで何が起きているか、状況把握はするようにしている」。練習前の入念なウオーミングアップや、練習中には若手への積極的なアドバイスも欠かさない。
今季のC大阪は、6月10日の首位ヴィッセル神戸を撃破した一戦からMF香川真司(34)のダブルボランチのパートナーに、下部組織出身の5年目MF喜田陽(23)が13試合連続で固定されている。
この日、取材に応じた小菊昭雄監督(48)は、改めて定位置争いについて「私情は置いておいて、コンディション、(プレーの)質、メンタルを含めて平等にジャッジしたい」と、全選手を競わせている現状を説明した。
残り5試合。21年の徳島時代を含めて、鈴木のこの3年間のJ1生活では、今季が自己ワーストの試合出場数になることは確定した。
それでも、常に自身と向き合う26歳は「確実に昨季の自分よりも、今季の始まりの自分よりも、今の自分の方がうまいって言える。いい成長を遂げているなと思う」。
現在7位のC大阪は、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位以内を目指す。逆転優勝は絶望的となったものの、不屈の精神でチームを支える鈴木が、アジア切符をつかむ切り札になるかもしれない。



