【ドーハ(カタール)23日】MF堂安律(24=フライブルク)が、予告通りの得点で日本を救った。1点を追う後半30分だった。途中出場からわずか約5分後、ゴール前でこぼれ球に反応した。得意の左足を振り抜き、貴重な同点ゴールを決めてみせた。試合前には「結果を出すのがオレ」とゴール宣言。有言実行、約3年10カ月ぶりの代表ゴールで日本は息を吹き返した。

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途中投入された背番号8が、モヤモヤを吹き飛ばした。出場からわずか約5分後の後半30分。ゴール前のこぼれ球に反応した堂安が迷わず左足をミートした。名手ノイアーが必死に手を伸ばしてもかすりもしない強烈なシュートが、ゴールネットを揺らした。右手のガッツポーズは、祝福にきた鎌田に阻止されるも、仲間を振り切って、右拳を突き上げ、喜びを爆発させた。

試合後はらしさ全開だった。

堂安 俺が決めるって気持ちで入ったし、俺しかいないって思ったので。そういう強い気持ちで入った。ゴールから遠ざかっていましたし、監督からもどんどん打てと言われていた。ごっつぁんゴールでしたね。でもイメージしてきましたから。僕が日本サッカーを盛り上げるって気持ちでこのピッチに立っているので、みなさん期待してほしいです

有言実行だ。ドイツ戦の前から自信に満ちあふれていた。所属クラブで好調だったMF鎌田や代表で結果を残しているMF伊東らがいる。MF久保が調子を上げており、スタメンを狙う堂安は、サブメンバーに甘んじている状況だった。それでも、自分の可能性、天性の勝負強さを信じていた。

堂安 全員期待する場所で結果を出すのがオレです。能力とか、才能とか、調子とか、実績とか言うけど、そうじゃない。ゴールを決めるのはオレです。シュートできる位置にいれば得点できる。その局面をいかに作るか。相手との駆け引きだったり。1トップでもいけるし、試合に出られるなら、ポジションはどこでもいいんです

まさに予告通りの得点だ。コンディションやこれまで積み上げてきたものはもちろん大事だが、堂安にそんなものは二の次。相手ゴールをこじ開けるか、失敗するかの2択しかない。その中で決めた。このゴールは仲間を勇気づけ、西ドイツ時代を含め4度のW杯優勝を誇るドイツを撃沈させた。

次は中3日のコスタリカ戦。堂安がスタメン出場するかは分からない。しかしゴールへの意欲が誰より強い男が、次の試合でも決め、1次リーグ突破を自らの力で引き寄せる。【盧載鎭】

◆堂安の国際Aマッチの得点 19年1月24日のアジア杯ベトナム戦(1-0)以来、約3年10カ月ぶりで通算4点目。これまで出場20試合連続無得点だった。

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