日本(FIFAランキング24位)が1次リーグE組第2戦でコスタリカ(同31位)に0-1で敗れた。決勝トーナメント進出は12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からのスペインとの最終戦の結果次第となった。

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日本が、4日前のドイツ戦の金星がかすむ痛恨の黒星を喫した。午前中から気温が30度を超える厳しい暑さになったドーハ郊外の砂漠地帯に立つ競技場。W杯で初の2連勝発進はならなかった。優位に進め、攻勢を強めた後半は相手の1本に対し、12本ものシュートを放ったが、決められない。DF吉田のクリアミスで招いた終盤の唯一ともいえるピンチで失点し、まさかの黒星。主将は「これがサッカーの難しさ。分かってはいたけど、一番起きてはいけないことが起きた」。そう言って、時折、天を仰いだ。勝ち点1さえ、手にできなかった。

後半開始から入ったドイツ戦のヒーロー、切り札のFW浅野も不発。「やっぱり、最後のゴール前のところで決めきれないと、やられることもある。相手はその1発で勝ち点3を取ったし、僕たちは逆に1点取れなかったことで、勝ち点を失った」。快足FWのこの言葉がすべてだった。

前半から、司令塔のMF鎌田は精彩を欠いた。2列目の右で先発したMF堂安もシュート1本に終わった。後半は浅野を筆頭に、次々と攻撃的な選手が送り出された。ただ、場当たり的な起用にもうつった。連係がうまくとれない。開始から67分ベンチにいたMF伊東は「メンバーが、前(の選手)がほとんど変わって、コンビネーションの部分が難しかったのかな、と(ベンチで)見ていて思いました」と口にした。

思うようにプレーできず、チームもゴールも奪えない。象徴的なシーンがあった。前半終了間際。終始クールな鎌田が声を荒らげた。ハーフウエーライン付近で倒されると、大きく両手を挙げてアピールした。怒りに満ちた表情。矛先は、相手でも主審でもなかった。DF山根へ「もっと守備で前に出ていいんじゃないか?」と求めるものだった。

攻めあぐね、唯一ともいえるピンチで決められた。決定力不足と、勝負弱さ-。日本が抱える永遠の課題が大舞台でまた、顔を出した。ドイツ戦の奇跡的勝利の余韻をかき消す、まさかの敗戦だった。