痛恨、大誤算…。日本(FIFAランキング24位)が、1次リーグE組第2戦でコスタリカ(同31位)に0-1で敗れた。

後半36分にDF吉田麻也主将の自陣でのクリアミスから失点を許した。奇跡的な逆転勝利を挙げたドイツ戦からスタメン5人を入れ替えたが、攻撃陣は不発。7大会連続7度目のW杯で、初の2連勝発進とはならなかった。勝ち点は3のまま。決勝トーナメント進出は、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からのスペインとの最終戦の結果次第となった。

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ドイツ戦で、同点弾を放った堂安は後半22分でベンチへ退いた。同試合で勝ち越し弾の浅野は、後半からの出場。何度も中央突破を仕かけたが、簡単にブロックされた。「最後のところ、決めきるところというのは、チームとして今日は課題として出たかなと思います」と厳しい表情だった。後半18分には、ペナルティーエリア手前でFKを獲得したが、相馬が狙った直接FKは枠を大きく外れた。

背番号9の登場にスタジアムが沸いたが、その声援は続かなかった。後半途中から出場の三笘は同43分に、左サイドをぶち抜き、マイナスのクロスを供給。絶好のチャンスとなったが、鎌田のシュートは相手に阻まれ、南野が詰めようとしたが、名手ナバスの手に収められた。鎌田は「僕個人もそうだし、チームとしてもすごいイージーなミスが多かった」と停滞した原因を口にした。三笘は「シンプルに気持ちのところで上回れなかった」と敗戦を受け止めた。

奇跡とも呼べるドイツ相手の逆転勝利の勢いは、いずこへ。最終ラインに5枚を並べる鉄壁のコスタリカを前に、攻撃陣が不発に終わった。前半は4-2-3-1で入り、待ち構える相手のブロックの思うつぼだった。前半途中に3バックにシステム変更。初戦と同じような戦い方も、最後までネットを揺らすことはかなわなかった。スタメンを5枚入れ替えての一戦。森保監督は「ターンオーバーに関しては、後悔していない。プロセスに関しては、試合に向けて、準備したことは間違いではなかったと思っている」とうなずいた。

4年前、森保ジャパンの初陣の相手もコスタリカだった。大阪・吹田で3-0で快勝した姿は、カタールになかった。失点のきっかけとなった吉田は「これがサッカーの難しさ。分かってはいたけど、一番起きてはいけないことが起きた」と天を仰いだ。森保監督は「日本とドイツ、日本、コスタリカの力関係で考えた時に、全て相手を上回って、圧倒できるかと言えば、そうではない」。どこか、歯切れが悪かった。運命はスペインとの最終戦に委ねられることになった。悲願のベスト8以上を達成するなら、ここで足踏みしていられない。【栗田尚樹】