W杯カタール大会で、日本は1日(日本時間2日)、ドイツに続き、優勝経験国のスペインを2-1の逆転で下して決勝トーナメント進出を決めた。MF三笘薫(25=ブライトン)がゴールライン上で折り返し、MF田中碧(24=デュッセルドルフ)が右膝で押し込んだゴールは値千金となった。

2人は川崎市宮前区の鷺沼小で1年先輩後輩の間柄。学校の校庭が拠点のサッカークラブ「さぎぬまSC」でサッカーを始めた。セレクションがなく小学生なら誰でも入れる街のクラブで、三笘は26期生、田中は27期生だ。「学年ごとにチームをつくり、練習や試合も学年単位なので、さぎぬまSCでは夏合宿の1、2年生の学年対抗戦ぐらいでしか同じピッチに立っていないと思います。でも同じ小学校で仲が良く、お兄ちゃんと弟のような関係です。代表でも練習を終えた後、2人で1対1をやっているそうです」(さぎぬまSC沢田秀治代表=64)。

田中は三笘のアシストに「すごくうれしかった」と話し、三笘は田中のゴールを「碧が決めたのも何かあるなと思った。見えないところで頑張っていたご褒美だと思います」とたたえた。現地からの映像で、2人がまるで子犬のように折り重なって喜び合う姿には、強い絆がうかがえた。

「同じ道を進んで同じピッチで活躍してくれて、感動でちょっと言葉になりません」(沢田代表)。クロアチア戦はDF板倉滉(25=ボルシアMG)が累積警告で出場できない。勝ち上がって、GK権田修一(33=清水)とさぎぬまSC出身の4人が「新しい景色」を見せてくれることを、沢田代表は願っている。【中嶋文明】

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