FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会は2日、1次リーグ全48試合が終了し、日本と韓国、オーストラリアを含めて16強が出そろった。史上初めてアジア勢3チームが勝ち上がった。1次リーグでの数々の記録をまとめた。

 

◆3連勝突破なし フランス、ブラジル、ポルトガルが開幕2連勝で1次リーグ突破を決めたが、いずれも3戦目で敗れて全勝突破はなかった。現行方式の32チーム参加となった98年フランス大会以降、1次リーグで3戦全勝チームがないのは今大会が初。3試合無失点のチームもなかった。

◆開催国敗退 開催国のカタールは1次リーグ3連敗で大会を去った。ホスト国が1次リーグで敗退は10年大会の南アフリカ以来2チーム目だが、1勝もできずに大会を去るのは22大会目のW杯で史上初の屈辱。

◆得点王争い 前回王者フランスのエースFWエムバペら5人が3得点で並ぶ。エクアドルのFWバレンシア以外の4人は決勝トーナメントに進出した。

◆5大会連続ゴール ポルトガルのFWロナウドは24日のガーナ戦で先制点を奪い、史上初の5大会連続ゴールを達成。ペレ(ブラジル)、ゼーラー、クローゼ(ともにドイツ)の3人と4大会連続で並んでいた。

◆37歳年長得点 ロナウドは24日のガーナ戦で37歳292日。94年大会のロジェ・ミラ(カメルーン)の42歳39日に次ぐ歴代2番目の年長得点となった。

◆18歳年少得点 スペインのMFガビは23日のコスタリカ戦に18歳110日で出場し、後半29分に初得点。最年少の17歳239日で決めた58年大会のペレ(ブラジル)らに続き、W杯で歴代3番目の年少得点となった。

◆7-0 スペインは23日のコスタリカ戦で7-0と圧倒。7点差以上の勝利はW杯史上11度目で、スペインの1試合最多得点記録となった。1000本以上のパスを成功。国際サッカー連盟(FIFA)によると、90分試合で1000本以上のパス成功は史上初とのこと。

◆5大会連続アシスト アルゼンチンのFWメッシは26日のメキシコ戦で1得点アシストを記録。W杯で史上初めて5大会連続アシストをマークした。

◆8万人 メッシが活躍した26日のメキシコ戦の入場者数は8万8966人。ルサイル競技場で行われたこの試合がここまでの今大会の最多入場者数。

◆あのベッカム以来 前回大会得点王のイングランドFWケーンは今大会無得点だが、3アシストは今大会1位。他の若きアタッカー陣に好パスを送り続けている。イングランドで1大会3アシストは02年日韓大会でのベッカム以来。

◆2本のPKストップ 今大会は14回あり、成功9、失敗5。成功率は64・3%で前回ロシア大会の75・9%からダウン。ポーランドのGKシュチェンスニはアルゼンチン戦でメッシのPKをストップするなど今大会2度のPKセーブ。PK戦以外で、1大会に2度以上のPKストップは史上3人目。

◆プラス13分 今大会は試合中の失われた時間を厳密に計測することでロスタイムの長い試合が相次いでいるが、21日のイラン-イングランド戦でイランのFWタレミが記録した「90+13分」(後半58分)の得点は延長戦に突入しなかった試合では史上最も遅いゴールとなった。

◆ジンクス 1次リーグで複数の優勝経験チームが同組になると、そろって勝ち上がれない-。32チーム制の現行方式となった98年フランス大会から続くジンクスで、今大会は日本のE組。スペインとドイツが2強とみられたが、日本が首位突破。スペインは2位で通過したものの、ドイツは初戦で日本に敗れたことが響き、2大会連続の1次リーグ敗退となった。

◆日本の快挙 日本はドイツ、スペインに逆転勝ち。前半にリードされた展開から1大会で2度も逆転勝利を挙げたのは38年大会のブラジルと70年大会の西ドイツに続いて3チーム目。同一大会でドイツとスペインから逆転勝利を挙げたのも史上初だった。また、スタッツ・パフォームのOptaデータによると、記録が残る66年大会以降で、700本以上のパスを通しながら負けたのは日本戦のドイツとスペインの2例だけだった。