C組でFIFAランキング79位の伏兵コソボが、アウェーでスロバキア(44位)を4-3で下した。
初のW杯出場へトルコ(23位)と決勝を戦う。B組はスウェーデン(41位)とポーランド(37位)が勝ち上がり、この勝者はW杯で日本と同じ1次リーグF組に入る。A組はイタリア(13位)とボスニア・ヘルツェゴビナ(71位)が、D組はデンマーク(21位)とチェコ(47位)が対戦する。決勝は31日(日本時間4月1日)に実施される。
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代表チームが誕生してわずか10年のコソボが、夢のW杯出場へあと1勝と迫った。スロバキアとのアウェー戦。後半にFWアスラニが頭で2-2と追い付くと、15分にMFムスリヤが直接FKで勝ち越し。DFハイリジのゴールもあり4-3という大接戦を制した。
ドイツ人の知将、59歳のフォダ監督は「素晴らしい勝利だ。次はトルコとの歴史的な試合がある。今は興奮冷めやらぬ状態だが、最後の試合は冷静にプレーする必要がある。そうすれば何でも可能だ」。攻守に勇敢に挑む闘士たち。欧州予選は初戦でスイスに敗北した1敗だけ。6試合連続負けなしと勢いは加速する。
かつて戦火にまみれたバルカン半島は「欧州の弾薬庫」と呼ばれた。その中央部に位置する。1990年代の民族紛争で旧ユーゴスラビア連邦が解体された。その後セルビアの自治州にあったコソボでは、多数派のアルバニア系住民が独立を求めて武装蜂起。それを弾圧しようとしたセルビア側との「コソボ紛争」が勃発した。混乱期を経て08年にコソボは独立宣言したが、セルビアなど承認しない国は多く今も国連への加盟には至っていない。
そんなコソボにとってサッカーは自分たちのアイデンティティーであり、希望の光。同連盟は16年にFIFAとUEFAへの加盟が認められ、代表活動が始まった。当時から参加する31歳の主将、FWムリキはマジョルカに所属し、元日本代表FW浅野拓磨のチームメートだ。今季スペイン1部リーグではエムバペ(Rマドリード)の23得点に次ぐ18得点を記録している。
決勝はトルコを相手に首都プリシュティナで迎える。ムリキは「夢見ることでここまでやってきた。もし私たちが勝ったら、かつてない国の祝賀会になる」。フォダ監督も「スタジアムは1万3000人の収容だが、可能であれば10万人の観客が集まるだろう」。夢見る男たちの戦いはいよいよ最終章を迎える。

