アーティスティックスイミング(AS)のチームで、日本は銀メダルを獲得した。

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日本はデュエットもチームもフレッシュなチームらしい攻めの演技で、勢いと可能性を感じました。デュエットは、乾さんのパートナーに抜てきされて3カ月弱の吉田さんが、存在感を見せました。168センチの体格は演技の大きさにつながっていましたし、速い脚技は1つ1つの動作が鮮明に目に焼き付きました。長く泳ぎ込んで体に染みこませる複雑な動きを、よく短期間でこなせたと驚きました。

半分が新メンバーだったチームの演技も上出来でした。日本は最初のリフトが苦手でしたが、フリールーティンではジャンパーに抜てきされた16歳の京極さんのジャンプが驚くほど高かった。中盤と後半にも高さのあるリフトを決めました。攻める気持ち、思い切りがなければ、あそこまで跳べません。いきの良さ、頼もしさを感じました。

金メダルの中国もさらに成長していました。「肉薄する」という目標にはまだ達していませんが、日本は現時点で持てる力は十分に発揮しました。新生ジャパンのデビューとしては、20年東京五輪へ大いに期待を抱かせる内容でした。(88年ソウル五輪ソロ、デュエット銅メダル)